局所麻酔と部位麻酔の種類、どのような手術や処置で使われるか、そして全身麻酔との違いを、飼い主様にもわかりやすくまとめました。

| 項目 | 表面麻酔 | 浸潤麻酔 | 神経ブロック | 硬膜外麻酔 |
|---|---|---|---|---|
| 作用部位 | 皮膚・粘膜の表面 | 処置部位の組織 | 特定の神経の周囲 | 脊髄硬膜の外側 |
| 代表的な適応 | 眼科検査、カテーテル挿入 | 小さな腫瘍の切除、縫合 | 歯の抜歯、四肢の手術 | 後肢・腹部の手術 |
| 持続時間 | 15~30分 | 1~2時間 | 2~6時間 | 2~8時間 |
| 意識の維持 | True | True | 状況による | 状況による |
実際の薬剤と用量は、体重・品種・健康状態に応じて獣医師が決定します

局所麻酔でも、完全に安全とは限りません。
局所麻酔薬も誤って血管内へ投与されたり、用量が過剰になったりすると血中濃度が上昇し、全身毒性を引き起こす可能性があります。教科書によれば、通常は筋肉の震えやけいれんなどの中枢神経系症状が最初に現れ、さらに進行すると不整脈や低血圧、重症例では心停止や呼吸停止に至ることもあります。特に猫は、他の動物種と比較してリドカインの心血管毒性が現れる血中濃度が低い可能性があるため、体重あたりの許容用量をより慎重に設定する必要があります。「部分麻酔だから大丈夫だろう」と思わず、麻酔中および麻酔後の心電図(ECG)や血圧を含むバイタルサインのモニタリングが必ず必要であることを覚えておいてください。

このような兆候が見られた場合は、すぐに動物病院へお越しください。
麻酔後、自宅に戻ってから24時間以上全くご飯を食べなかったり、呼吸が荒く速くなったり、歯茎の色が白っぽくまたは紫色に変化したりした場合は、すぐに病院へ連れて行ってください。また、麻酔部位がひどく腫れたり、滲出液や出血が持続したり、歩行の異常が回復せずむしろ悪化するような場合も緊急事態です。局所麻酔の効果が切れるまでには通常2〜6時間かかりますが、それ以上経過しても感覚が戻らない場合は、必ず獣医師に確認を受けてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Grimm KA et al., Veterinary Anesthesia and Analgesia: The Fifth Edition of Lumb and Jones, 2015
[2] Little SE, The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Chapter on Feline Anesthesia
[3] Brodbelt D, Perioperative mortality in small animal anaesthesia, Vet J, 2009;182:152-161