1~3歳の成犬期は、生涯の健康の土台を築く黄金期です。食事、運動、予防接種、健康診断など、必ずチェックしておきたい総合ケアのポイントをご紹介します。

成犬期のケアを始める前に必ず確認すべきこと
ケアを開始する前に、まずは愛犬の現在の健康状態を把握することが大切です。去勢・卵巣摘出の有無、現在の体重と体組成スコア(BCS)、最近の予防接種履歴、基礎疾患の有無などを整理しておきましょう。特に去勢・卵巣摘出済みの犬や運動量が少ない犬は、活発な犬よりも維持に必要なエネルギー量(維持エネルギー必要量)が低く設定されるため、同じ量を食べても太りやすくなります。実際、運動量の少ない犬の維持エネルギー必要量は、活発な犬よりもかなり低くなります。現在の状態を把握せずに一般的な給与量をそのまま適用すると、肥満に繋がる可能性があります。


| 項目 | 小型犬(〜5kg) | 中型犬(5〜15kg) | 大型犬(15〜30kg) | 超大型犬(30kg+) |
|---|---|---|---|---|
| 1日のカロリー | 200〜400kcal | 400〜900kcal | 900〜1,500kcal | 1,500〜2,200kcal |
| 1日の給与量 | 60〜120g | 120〜250g | 250〜400g | 400〜600g |
| 給餌回数 | 2回 | 2回 | 1〜2回 | 1〜2回 |
| 水分摂取量 | 150〜300ml | 300〜750ml | 750〜1,500ml | 1,500〜2,500ml |
フード製品ごとにカロリー・成分が異なるので、必ずそのフードの推奨給与量表も併せて確認してください。避妊・去勢や活動量に応じて±20%の調整が必要です。


品種別の注意点:MDR1遺伝子による薬物感受性チェック
コリー、ボーダー・コリー、シェットランド・シープドッグ、オーストラリアン・シェパードなどの一部の犬種には、薬剤感受性に関連する遺伝子変異が認められ、特定の寄生虫予防薬(イベルメクチン高用量など)により深刻な副作用が生じる可能性があります。該当する犬種の場合は、初めて寄生虫予防薬を処方してもらう前に、必ず獣医師に犬種を伝え、必要に応じて遺伝子検査を受けてください。一般的な予防用量であれば大半の場合安全ですが、個体差があります。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Ettinger SJ, Feldman EC, Cote E, Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition - Chapter: Preventive Health Care of Adult Dogs, 2017
[2] AAHA Canine Life Stage Guidelines, Journal of the American Animal Hospital Association, 2019
[3] Nutrient Requirements of Dogs and Cats, 미국국립연구위원회, 2006
[4] WSAVA Global Nutrition Guidelines, World Small Animal Veterinary Association, 2021
[5] AAHA/AVMA Canine Preventive Healthcare Guidelines, 2011