犬のお腹が張っているときに疑われる疾患や、すぐに病院へ連れて行くべきサイン、自宅で確認できるチェックポイントをまとめました。

| 項目 | 症状の特徴 | 対処 |
|---|---|---|
| 🔴 緊急(1〜6時間以内) | 急にお腹が張る、空えずき、よだれ、不安 | 直ちに24時間対応の病院へ |
| 🟠 緊急(24時間以内) | 張った状態が持続、食欲低下、無気力 | 当日中の受診が必須 |
| 🟡 注意(2〜3日観察) | お腹だけがぽっこり、食欲・排便は正常 | 体重・水の摂取量をチェック後、予約受診 |
| 🟢 一時的 | 食後に一時的に張り、すぐ治まる | 過食の有無を確認 |
一つでも該当すれば、より危険な段階と判断します

⚠️ 直ちに24時間対応の動物病院へ連れて行かなければならない緊急のサイン
次のいずれかにも該当する場合は、一刻も早く緊急動物病院へお越しください。胃捻転(GDV)は、治療が遅れるほど死亡リスクが急激に高まる超緊急疾患であり、迅速な診断と適切な内科的・外科的処置が生存率を直接左右します。 • 嘔吐反射を繰り返すのに、吐き出物がでない場合 • お腹が急に太鼓のように張った場合 • 歯ぐきが蒼白または紫色に変色した場合 • 倒れ込んだり、立ち上がれなくなったりした場合 • 息切れし、極度に不安そうな様子の場合 大型犬(グレートデーン、ジャーマンシェパード、セントバーナード、アイリッシュ・ウルフハウンドなど、胸郭が深い品種)は、特に胃捻転のリスクが高い傾向にあります。


胸の深い大型犬の飼い主様は、ぜひ覚えておいてください。
獣医学文献によると、グレートデーン、ジャーマンシェパード、セントバーナード、アイルランドウルフハウンドなど、胸郭が深く大型の犬種は、他の犬種に比べて胃捻転の発症リスクが著しく高いと報告されています。 予防のポイント: • 一度に大量に与えるのではなく、1日2〜3回に分けて与える • 食後1時間以上は激しい運動を避ける • 食器の高さや種類は、獣医師と相談し、犬種や体型に合った方法で決める • 水を一度にガブガブ飲まないよう、分けて与える • 高リスクの犬種では、予防的な胃固定術の相談も検討できます


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Ettinger, S.J., Feldman, E.C., Cote, E. Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th ed., 2017, Chapter: Abdominal Distension, Ascites, and Peritonitis
[2] Nelson, R.W., Couto, C.G. Small Animal Internal Medicine, 6th ed., 2019, Chapter: Gastric Dilatation-Volvulus Syndrome
[3] Beck, J.J. et al., Evaluation of risk factors associated with gastric dilatation-volvulus in dogs, Journal of the American Veterinary Medical Association, 2006