猫の腹水は、伝染性腹膜炎(FIP)、肝疾患、心疾患などの深刻な基礎疾患のサインです。原因別の診断方法と治療方針、そして直ちに緊急動物病院を受診すべきサインを段階的にまとめました。

| 項目 | 主な症状 | 推奨される対応 |
|---|---|---|
| 観察段階 | お腹が少し膨らんで見え、食欲がやや減少 | 1~2日以内に動物病院を予約 |
| 注意段階 | お腹が明らかに膨張、気力低下、体重変化 | 当日中に動物病院を受診 |
| 緊急段階 | 呼吸困難、口腔の蒼白、完全な食欲喪失 | すぐに24時間救急動物病院 |
症状は急速に悪化することがあります。観察段階でも自己判断は禁物です。

直ちに24時間対応の動物病院へ連れて行かなければならないサイン
以下の症状が一つでも見られた場合は、一刻も早く救急動物病院へ連れて行ってください。 • 唇や歯ぐきが白っぽく、または青白く変色している • 口を開けたまま速く呼吸している、あるいは腹式呼吸をしている • お腹が急激にひどく膨らんだ、または石のように硬くなった • 全く食べず、起き上がれない 腹水が胸水に広がると、数時間以内に危険な状態になる可能性があります。


FIP 湿性タイプ — 飼い主さんが必ず知っておくべきこと
FIPはかつて治療法がありませんでしたが、現在では抗ウイルス薬による治療で完治した症例が報告されています。薬代が高く、投与期間も長いため、早期診断は経済的・医学的な負担を軽減します。複数の猫を飼っている場合、同じコロナウイルスに曝露されている可能性がありますので、他の猫も健康チェックが必要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Pedersen NC et al., Efficacy and safety of the nucleoside analog GS-441524 for treatment of cats with naturally occurring feline infectious peritonitis, Journal of Feline Medicine and Surgery, 2019
[2] Little S., The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Elsevier Saunders, 2012
[3] Ettinger SJ, Feldman EC, Côté E., Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition, Elsevier, 2017
[4] Felten S and Hartmann K, Diagnosis of Feline Infectious Peritonitis: A Review of the Current Literature, Viruses, 2019