犬が突然ふらついたり、頭を傾げたりする場合は、内耳の前庭器官の異常や脳の神経系の問題が考えられます。原因別の症状の違いと、すぐに動物病院を受診すべきサインをまとめました。

| 項目 | 主な症状 | 緊急度 | 行動指針 |
|---|---|---|---|
| 軽症 | 軽くふらつく、一方に首を傾ける | 48時間以内に病院 | 落ち着いた環境を保ち、餌・水を与える |
| 中等症 | 歩けず転倒する、嘔吐、眼球振とう | 当日中に病院 | 抱えて移動し、階段・ソファを遮断 |
| 重症 | 発作・意識低下・24時間以上持続 | 直ちに救急病院 | 絶対に一頭だけにしないこと |
内耳(末梢)の前庭器官の異常は進行性ではなく予後が良い方なので、おおむね徐々に回復する経過を示します。一方、脳(中枢)の疾患はより速く悪化することがあります。

この症状の場合は、すぐに救急動物病院へお越しください。
発作が5分以上続く場合、意識がない場合、または24時間以上立ち上がれない場合は、すぐに救急病院へ連れて行ってください。眼球振盪の方向が突然変わったり、症状が時間とともに悪化したりする場合は、脳疾患の可能性が高いです。このような状況で様子を見ていると、治療のゴールデンタイムを逃す可能性があります。



家庭でケアを行う際に必ず守っていただきたいこと
階段、ソファ、ベランダなど高い場所には近づけないようにして、転落による怪我を防ぎましょう。滑り止めマットを敷いて移動を補助し、食器や水入れは低い位置に設置してください。無理に歩かせたり、寝た姿勢を正そうとしたりせず、自然に回復するのを待ちましょう。症状が悪化したら、すぐに病院に連絡してください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Blunden A., The Dog Care Handbook: Things I Wish My Vet Had Told Me, Murdoch Books, 2024
[2] Silverstein D.C., Hopper K. (eds.), Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed, Elsevier, 2022
[3] Schaer M., Gaschen F. (eds.), Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed, CRC Press, 2022
[4] Dewey C.W., da Costa R.C., Practical Guide to Canine and Feline Neurology, 3rd Ed, Wiley-Blackwell, 2016