夏場、車内に一時的に放置しただけでも、ペットが倒れることがあります。車内猛暑による熱中症の緊急性の判断と、5分以内に実施すべき応急処置をまとめました。

| 項目 | 10分後 | 30分後 | 60分後 |
|---|---|---|---|
| 外22度 | 33度 | 44度 | 48度 |
| 外27度 | 38度 | 48度 | 52度 |
| 外32度 | 43度 | 52度 | 56度 |
獣医集中治療医学の教科書(Small Animal Critical Care Medicine)によると、外が24度ほどの日でも、日差しの入る密閉された車内は20分以内に48度を超えることがあります。窓を少し開けても上昇を防ぐのは難しいです。

このような場合は、すぐに動物病院へお越しください。
意識がもうろうとする、発作を起こす場合は、迷わず救急病院へ直行してください。体温が40.5℃を超えた場合、血を混じえた嘔吐や下痢、歯茎が蒼白または灰色に変色した場合も、すぐに病院へ向かう必要があります。熱中症は解熱剤では改善できません。獣医集中治療の教科書でも、積極的な冷却と輸液治療が必要であると説明されています。搬送中はエアコンを強く効かせ、ぬるま湯で絞った濡れタオルで脇の下や鼠径部を包んであげてください。

猫は症状を隠す傾向があります。
『猫の救急医学』の教科書によれば、猫は自分で涼しい場所を探して隠れる習性があるため、熱中症の初期症状を見逃しやすいと説明されています。口を開けて呼吸をしたり(開口呼吸)、舌を長く出してハアハアと息切れをしている場合は、すでに危険な状態です。キャリーケースに入れて車内に一時的に置くのも危険ですので、外出そのものを避けてください。また、乾燥機や洗濯機の中に潜り込んだ事例もあるため、夏場は必ず扉を閉めておいてください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed — Heat Stroke and Hyperthermia
[2] Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed — Heatstroke chapter
[3] Advanced Monitoring for Small Animal Emergency and Critical Care, 2nd Ed — Thermoregulation
[4] McLaren C, Null J, Quinn J (2005). Heat stress from enclosed vehicles. Pediatrics 116(1): e109–e112