免疫力が低下している方でも、衛生管理のルールとワクチン接種を適切に守れば、ペットを飼うことができます。人獣共通感染症の予防と安全管理の方法をまとめました。

| 項目 | 主な感染経路 | 予防のポイント |
|---|---|---|
| トキソプラズマ症 | 猫の糞便中の嚢子(オーシスト) | 妊婦・免疫低下者は糞便の処理を避ける |
| サルモネラ・カンピロバクター | 生食フード・ペットの糞便 | 生食フードを避ける、手を洗う |
| 爬虫類のサルモネラ | カメ・トカゲとの接触 | 免疫低下者は爬虫類の飼育を非推奨 |
| 猫ひっかき病(バルトネラ) | 猫の爪・唾液 | ノミ予防、ひっかかれないよう注意 |
| リングワーム(皮膚糸状菌) | 皮膚への直接接触 | ペットの皮膚異常を早期に治療 |
米国疾病予防管理センター(CDC)の免疫低下者向けガイドラインに基づく

すぐに病院での診察が必要な状況
次のような症状が現れた場合は、かかりつけ医にペットとの接触歴を必ず伝え、診察を受けてください。38度以上の持続する発熱、48時間以上続く下痢や嘔吐、ペットに噛まれたり深く引っ掻かれたりした傷、皮膚の赤い斑点が拡大する場合、咳や呼吸困難を伴う発熱。免疫機能が低下している方は、感染症が急速に敗血症へと進行する可能性があります。一般的な風邪の症状のように見えても、ペットとの接触歴がある場合は、必ず医療スタッフにその情報を共有してください。

抗がん治療や移植直後の特別な注意が必要な期間
抗がん化学療法中、造血幹細胞移植後100日以内、臓器移植後6ヶ月以内は、特に免疫機能が著しく低下している時期です。この期間中は新しい動物の里親になることを延期し、既存のペットとの接触も主治医の指示に従って調整する必要があります。ペットの糞・尿・唾液・毛の片付けは、他の家族に任せるのが安全です。可能であれば、この期間だけでもペットとは別の部屋で生活したり、寝室への立ち入りを制限したりすることも有効な方法です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Tizard, I.R., Veterinary Immunology, 11th Edition, Elsevier, 2021
[2] CDC, Healthy Pets Healthy People - Immunocompromised Persons Guidelines, 2023
[3] Stull, J.W. et al., Reducing the risk of pet-associated zoonotic infections, CMAJ, 2015