犬と猫の正常な体温範囲と、自宅で直腸・額・耳で体温を測る正しい方法、そして方法ごとの精度の違いを獣医学の基準に基づいてまとめました。

| 項目 | 直腸体温計 | 額(非接触)体温計 | 耳(赤外線)体温計 |
|---|---|---|---|
| 正確度 | 最も高い(基準値) | 低い(参考用) | 中間(個体差が大きい) |
| 測定時間 | 30秒〜1分 | 1〜3秒 | 3〜5秒 |
| 毛の影響 | なし | 大きい(毛のため低く測定される) | 中間(耳毛・耳垢の影響) |
| ストレス | 中間〜高い | 低い | 低い |
| おすすめの用途 | 発熱・低体温の確定診断 | 日常のスクリーニング | 参考測定 |
獣医救急医学の教科書基準では、直腸体温が臨床判断の標準です。

直腸測定前に必ず確認してください
下痢や血便がある場合は、測定を避けてください。肛門の粘膜がすでに敏感になっているため、体温計の挿入で痛みや出血を引き起こす可能性があります。また、体温計を無理に押し込んだり、ガラス製の水銀体温計を使用したりするのは禁止です。必ず専用デジタル体温計を使用し、犬・猫用と人間用を絶対に共用しないでください。

すぐに病院へ連れて行くべき体温
以下の数値が出た場合は、自宅で対処しようとはせず、すぐに病院へお越しください。 - 40.0℃以上: 高熱 — 感染症、熱中症、免疫反応を疑う - 41.0℃以上: 高体温症の緊急事態 — 臓器損傷のリスクあり、直ちに冷却後、搬送 - 37.0℃以下: 低体温 — ショック、中毒、低血糖の可能性 - 35.5℃以下: 重症低体温の緊急事態 — 毛布で包み、直ちに搬送 体温の異常が30分以上持続する場合や、けいれん、呼吸異常、歯ぐきの色の変化を伴う場合は、数値に関わらず緊急事態です。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Silverstein & Hopper, Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed, Ch. Temperature Regulation
[2] Creedon & Davis, Advanced Monitoring for Small Animal Emergency and Critical Care, 2nd Ed
[3] NRC, Nutrient Requirements of Dogs and Cats, Ch. Thermoneutral Zone