犬の膝蓋骨脱臼手術は、滑車溝形成術と脛骨粗面転位術(TTT)を中心に、複数の技法を組み合わせて行います。脱臼のグレードや骨の変形度合いによって、適した手術法が異なります。

| 項目 | 滑車溝形成術 | 脛骨粗面転位術(TTT) | 軟部組織再建 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 膝蓋骨が収まる溝を深く | 脛骨結節の位置を再整列 | 関節包・靭帯の張力調整 |
| 骨切断の有無 | あり(軟骨温存) | あり(結節移動) | なし |
| 主に必要な場合 | 滑車溝が浅いとき | 脛骨結節がずれている場合 | 関節包が伸びた場合 |
| 単独施行の可否 | 通常は組み合わせ | 通常は組み合わせ | 補助的に施行 |
実際の手術では2〜3種類の技法を併用する場合が多いです


手術の種類は獣医師の判断にお任せください。
飼い主さんが事前に「この手術でお願いします」と指定するのは難しいのが実情です。X線やCT検査で骨の角度、滑車溝の深さ、脛骨結節の位置などを測定し、それらを組み合わせて手術計画を立てるため、手術室内でも計画が少し変わる可能性があります。重要なのは、整形外科の経験豊富な獣医師に精密な診断を受け、予想される手術の組み合わせとリスク要因について十分に説明を聞くことです。

再発を防ぐために覚えておいてください。
膝蓋骨脱臼の手術後でも、再発の可能性が完全にゼロになるわけではありません。獣医外科学の教科書によれば、膝蓋骨脱臼は両側で発症することがあり、片側を手術した後に反対側でも脱臼が生じるケースがあります。体重管理、筋肉量の維持、滑りにくい床環境が生涯にわたるケアのポイントです。小型犬では肥満が関節に負担をかける可能性があるため、定期的な体重モニタリングが重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Textbook of Veterinary Orthopaedic Surgery, Chapter 11: Stifle Joint Disorders
[2] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed, Patellar Luxation Pathophysiology
[3] 100 Top Consultations in Small Animal General Practice, Patellar Luxation