犬のクーラント液中毒は、甘味があるため一度舐めるだけで腎不全を引き起こす可能性のある緊急疾患です。曝露後3時間以内に解毒剤を投与することがゴールデンタイムであり、症状の1~3段階と家庭での対処法、予防対策をまとめました。

| 項目 | 第1段階(30分~12時間) | 第2段階(12~36時間) | 第3段階(36~72時間) |
|---|---|---|---|
| 神経系 | 酔ったようにふらつく(運動失調)、意識の低下 | 見た目には回復したように見える(だましの区間) | 発作、昏睡 |
| 消化器 | 嘔吐、よだれ | 特別な症状なし | 激しい嘔吐、食欲廃絶、口腔潰瘍 |
| 腎臓 | 喉の渇き・尿量の増加(多飲多尿) | 血液検査で腎数値(BUN・クレアチニン)の上昇が始まる(おおよそ24~48時間) | 急性腎不全、乏尿・無尿 |
| 予後 | 積極的な治療で大部分が回復 | 治療は可能だが損傷が進行中 | 死亡率が非常に高い |
第2段階は症状が一時的に良くなったように見えても、腎臓の損傷が進行する最も危険な『だましの区間』です。犬は通常、曝露後36~72時間に乏尿・無尿性の腎不全がはっきりと現れるため、第1段階の症状が消えたからといって安心してはいけません。

ただちに救急外来へ——生死は分単位で決まります
次の症状のいずれかが見られた場合は、決して自宅で様子を見ず、直ちに24時間対応の動物病院へ向かってください。 酩酊したようなふらつき: 曝露後30分~12時間以内に現れる運動失調と意識レベルの低下 過剰な渇感と多尿: エチレングリコール(不凍液)摂取後の典型的な初期症状 嘔吐とよだれ: 胃腸刺激により急速に現れる兆候 微量の曝露が疑われる場合でも直ちに行動: 犬の最小致死量は原液で約6.6ml/kg(体重5kgの場合約33ml)ですが、それよりも少ない量でも危険です。 エチレングリコール中毒の場合、犬では曝露後8時間以内に解毒剤(フォメピゾール)の投与を開始することが腎臓を救うためのゴールデンタイムです。時間が経つほど毒性代謝産物が蓄積し、治療可能な範囲が急速に狭まります。



タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Blackwell's Five-Minute Veterinary Consult Clinical Companion: Small Animal Toxicology, 3rd Edition — Ethylene Glycol
[2] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 10th Edition — Fomepizole, Ethanol
[3] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition — Decontamination and Intoxicants