眼球摘出術は、治療が困難な眼科疾患において痛みを取り除き、愛犬・愛猫の生活の質を守るための手術です。手術の流れと術後のケアについてまとめました。

| 項目 | 経結膜摘出 | 経眼瞼摘出 | 眼球内容除去 |
|---|---|---|---|
| 摘出範囲 | 眼球+第3眼瞼 | 眼球+眼瞼・結膜などをより広く切除 | 眼球の中身のみ除去、外膜を温存 |
| 主に用いる場合 | 一般的な場合 | 眼球腫瘍・重度の感染 | 美容目的・義眼挿入 |
| 手術時間 | 30〜60分 | 60〜90分 | 30〜60分 |
| 回復期間 | 10〜14日 | 14〜21日 | 10〜14日 |
| 傷跡 | 縫合後に毛で覆われる | くぼんだ形状 | 外観上の変化が少ない |
手術時間・回復期間は患者の状態によって変わることがあり、最終的な術式は疾患・品種・眼球の状態に応じて獣医師が決定します

手術直後に必ず守っていただきたいこと
手術後48~72時間は、出血・腫脹・感染のリスクが高い時期です。 - エリザベスカラーの常時装着: 縫合糸の抜糸まで24時間装着し、手術部位を掻きむしらないようにします。 - 出血の確認: 包帯や皮膚に血が継続的に滲み出ている場合は、直ちに病院へお越しください。 - 処方薬の服用: 抗生物質・鎮痛剤・消炎剤は、決して独断で中止しないでください。 - 顔のこすり防止: 絨毯やクッションに顔をこすりつけないよう注意してください。 - 入浴・水泳の禁止: 縫合糸の抜糸まで、水に触れないようにしてください。 異常な分泌物、強い腫脹、発熱が見られる場合は、すぐに連絡してください。

品種別の追加注意事項
品種によって手術や回復期の注意点が異なります。 - 短頭種(パグ・ブルドッグ・ペキニーズ):眼球突出の構造上、反対側の目も外傷のリスクが高く、麻酔リスクも高いため専門医への相談が必須です。 - 小型犬:手術中の低体温・低血糖の管理が重要です。 - 猫:ストレスに敏感なため、隔離された静かな空間で回復させます。 - 高齢動物:心臓・腎臓の評価を行った上で麻酔計画を立てます。 品種ごとの特性を考慮した麻酔プロトコルが安全です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Maggs DJ, Miller PE, Ofri R. Slatter's Fundamentals of Veterinary Ophthalmology, 6th ed. Elsevier, 2018
[2] Gelatt KN, Gilger BC, Kern TJ. Veterinary Ophthalmology, 5th ed. Wiley-Blackwell, 2013
[3] Côté E. Clinical Veterinary Advisor: Dogs and Cats, 3rd ed. Elsevier Mosby, 2015