スフィンクスは、肥大型心筋症(HCM)に対して遺伝的に脆弱な品種です。1歳から生涯にわたる推奨される心エコー検査の頻度、緊急時の兆候、そして家庭での管理ポイントをまとめました。


動物病院にすぐ連れて行かなければならない緊急のサイン
次の症状のいずれかが見られた場合は、24時間以内に緊急外来を受診してください。口を開けてハアハアと息をする開口呼吸、突然の後肢の脱力と冷感、歯茎が紫色や灰色に変色するチアノーゼ、突然倒れて意識を失う失神などが該当します。動脈血栓塞栓症は発症後数時間以内に処置を行わないと命を落とす可能性があります。普段から呼吸数や歯茎の色を把握しておけば、変化を早く気づくことができます。
| 項目 | 心臓超音波 | 聴診 | NT-proBNP血液検査 |
|---|---|---|---|
| 生後6〜12か月 | 1回の基礎検査 | 毎回の定期検診 | 選択 |
| 満1〜5歳 | 年1回 | 年2回 | 年1回 |
| 満5歳以上 | 年1〜2回 | 年2回 | 年1〜2回 |
| 心雑音・異常所見が見つかった場合 | 3〜6か月間隔 | 毎月の追跡 | 3〜6か月間隔 |
検診周期は個体の年齢・症状・以前の所見によって異なり、表は一般的な参考用です。実際のスケジュールは担当の獣医師と相談して決めてください。

検診前に飼い主さんが知っておくとよいこと
心エコー検査は基本的に無麻酔で行うため、麻酔による負担はほとんどありません。検査前の絶食は不要ですが、猫が落ち着くことが大切ですので、来院は30分ほど早めにして、環境に慣れる時間を持たせるのがおすすめです。費用は動物病院や地域によって異なりますが、心臓専門の獣医師がいる病院で受診すると、診断の精度が高まります。検査結果の報告書には、左心室壁の厚さの数値とNT-proBNPの値が必ず記載されますので、次回の健康診断で比較できるよう大切に保管しておくとよいでしょう。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Luis Fuentes V, Abbott J, Chetboul V, et al., ACVIM consensus statement guidelines for the classification, diagnosis, and management of cardiomyopathies in cats, Journal of Veterinary Internal Medicine, 2020
[2] Côté E, MacDonald KA, Meurs KM, Sleeper MM, Feline Cardiology, Wiley-Blackwell, 2011
[3] Little SE, The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Elsevier Saunders, 2020