寒波による急激な体温低下が見られるペットの緊急サインと、1時間以内に行うべき対応法を獣医学の基準に基づいてまとめました。震え、無気力、意識低下の段階に応じた行動ガイドラインをご確認ください。

| 項目 | 軽症 | 中等症 | 重症 |
|---|---|---|---|
| 深部体温 | 32〜37℃ | 28〜32℃ | 28℃未満 |
| 主な兆候 | 激しい震え、うずくまり | 震えの減少、無気力、起立困難 | 意識低下、瞳孔散大、徐脈 |
| 家庭での対処 | 毛布・室内へ移動 | タオルで包んで直ちに病院へ | 移動中の保温+119レベルの緊急対応 |
| 再加温の速度 | 受動的な保温が可能 | 病院での能動的再加温が必要 | 中心部再加温(獣医師が実施) |
体温の数値だけで判断するより、震えの有無や意識状態といった臨床症状で重症度を判断する方がより正確です(獣医集中治療医学の機能的分類基準)。震えの消失は比較的広い体温域で現れることがあるため、上記の数値は参考基準であり、再加温は末梢よりも体幹中心部を先に温めます。

今すぐ病院へ連れて行く必要がある状況
次のいずれかに該当する場合は、移動中も保温を続けながら、直ちに24時間対応の動物病院へお越しください。 • 体温が35℃以下を記録した場合 • 震えが止まり、ぐったりしている場合 • 名前を呼んでもほとんど反応しない場合 • 歯ぐきが蒼白または紫色に変色している場合 • 小型犬、犬、老齢猫が30分以上寒風にさらされた場合 急いで熱湯をかけたり、ドライヤーで直接吹きかけたりすることは禁止されています。獣医学における低体温症の再加温の原則は、四肢などの末梢よりも体幹の中心部を優先して温めることで、皮膚表面に突然強い熱を加える方法は安全な応急処置には該当しません。

猫・猫・高齢猫は特に注意が必要です
猫は体調不良を隠す傾向が強いので、低体温症に気づくのが遅れがちです。寒波の時期に外に出られる環境にいる子の場合は、帰宅後に体温、歯茎の色、反応性を必ず確認してください。猫や犬は直腸体温が34.4℃を下回ると、呼吸抑制、徐脈、免疫機能の低下が生じるおそれがあり、低体温に伴って低血糖も併発することがあるため、獣医師の指示に従って糖質の補給が必要になる場合があります。高齢のペットは心臓や腎臓の基礎疾患があるため、再加温の速度を慎重に調整する必要があるため、必ず動物病院で処置を受けてください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed — Hypothermia and Rewarming chapter
[2] Advanced Monitoring for Small Animal Emergency and Critical Care, 2nd Ed
[3] Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed — Global assessment of the emergency patient
[4] Kjærgaard B, Bach P: Warming of patients with accidental hypothermia, Resuscitation, 2006