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子犬の跛行の原因と対処法

関節症状ガイドモンシルジャン獣医学アドバイザリー

子犬が足をひきずる原因は、単純な筋肉痛から骨折、関節疾患まで様々です。緊急度の判断方法、原因別の症状チェックリスト、応急処置法を獣医学の教科書を根拠にまとめました。

子犬が足をひきずっています。どのくらい緊急な状況でしょうか?

前足を少し持ち上げて立っている子犬
子犬が突然足をひきずると、飼い主さんは当然心配になりますよね。まず結論から申し上げますと、ひきずりの原因は単純な筋肉痛から骨折、関節疾患まで非常に多岐にわたります。最も重要なのは、緊急性を判断することです。 足を全く地面につけなかったり、激しく腫れていたり、骨が異常に曲がって見えるような場合は、直ちに動物病院へお越しください。一方、少しひきずっているものの食欲や活動量に大きな変化がない場合は、1〜2日安静にして経過を観察することも可能です。

犬の跛行(足を引きずる症状)の緊急度判断表

跛行の程度によって、対処法が異なります。以下の表を参考に、愛犬の現在の状態を確認してみてください。
程度症状対処法
軽度軽い跛行はあるが体重を乗せられる、食欲は正常1~2日安静にして観察
中等度片足に体重を乗せるのをためらう、間歇的な跛行2~3日以内に病院を受診
重度足を全く着けない、腫脹や熱感を伴う当日中に病院を受診
緊急骨の突出、激しい痛みの反応、脚の変形直ちに救急病院へ

このような症状が見られるかチェックしてみましょう。

以下の項目を確認しておくと、獣医師に症状を正確に伝えるのに大いに役立ちます。
突然の跛行: 散歩や遊びの最中に突然始まった場合は、外傷や肉球の異物混入を疑うことができます。
徐々に悪化する跛行: 数日かけて次第に悪化している場合は、関節疾患や骨の問題の可能性があります。
朝起きたときに特に硬そうに見える場合: 変性性関節炎でよく見られる症状です。関節炎は中年から高齢の犬に多く発症し、初期には症状が軽微ですが、時間が経つにつれて次第に明確になり、安静時にも現れることがあります。また、過度な運動の後には跛行がさらに悪化する傾向があります。
足を上げて歩いている場合: その脚に強い痛みがあることを意味します。骨折や靭帯損傷を疑うことができます。
複数の脚が同時に不調そうに見える場合: 獣医内科学の教科書によると、免疫媒介性関節疾患などの全身性の問題を考慮する必要があります。
保護者の方から足の検査を受けている子犬

この症状が見られた場合は、すぐに救急病院へお越しください。

次のいずれかに該当する場合は、直ちに救急動物病院へお越しください。 - 骨が皮膚の外に突き出ている、または脚が異常な角度に曲がっている場合 - 交通事故や高所からの落下直後に、足を引きずって歩いている場合 - 脚が急速に腫れ上がり、子犬が激しい痛み反応(悲鳴を上げる、触ると噛もうとする)を示している場合 - 足を引きずる症状に加え、歯茎が蒼白になっている、またはぐったりしている場合

最も一般的な原因:外傷と怪我

跛行の最も一般的な原因は外傷です。
肉球の異物: 棘、ガラスの破片、小さな石などが肉球に刺さると、突然跛行が見られることがあります。指の間を慎重に確認してください。
捻挫と筋肉損傷: 激しい運動や滑りやすい床で走っている際に足を捻挫することがあります。通常、数日安静にすると改善します。
骨折: 足を全く着けられず、重度の腫脹を伴う場合は骨折を疑う必要があります。小型犬のように体格が小さい犬は、比較的小さな衝撃でも骨折が生じる可能性があるため、転落や衝突事故後は注意深く状態を観察してください。
爪の損傷: 爪が割れたり、爪根元部分が傷ついたりすると、跛行の原因となります。

関節や骨の疾患が原因である可能性もあります。

外傷がないのに跛行が繰り返される場合は、関節や骨の疾患を疑うことができます。
膝蓋骨脱臼: 小型犬に特に多いです。突然後ろ足を上げて走り、再び正常な状態に戻るパターンが繰り返されます。詳細は膝蓋骨脱臼の症状ガイドでご確認ください。
前十字靭帯断裂: 主な症状は後ろ足の跛行です。急性外傷性の断裂の場合、強い跛行を伴い、体重をかけることが困難または不可能になることがあります。症状が持続したり悪化したりする場合は、獣医師による正確な診断と画像検査が必要です。
股関節形成不全: 大型犬に多く、お尻を左右に揺らしながら歩く姿が見られます。
肘関節形成不全: 若齢の大型犬の前足跛行の原因となり、診断のために関節鏡検査が必要な場合があります。
後ろ足関節の部位を示しながら、一歩ずつ歩いている子犬

年齢によって原因が異なります。

子犬の年齢によって、跛行(足を引きずる症状)の主な原因は異なります。 成長期の子犬(4〜12ヶ月):骨が急速に成長する時期であるため、成長板に関連する問題が生じる可能性があります。肘関節形成不全などの発達性関節疾患も、この時期の跛行の原因となることがあります。 成犬(1〜7歳):外傷、前十字靭帯損傷、膝蓋骨脱臼が主な原因です。活動量が多い時期であるため、運動関連の怪我もよく見られます。 老犬(7歳以上):最も一般的な原因は変性性関節炎です。関節炎は中年から老年の子犬に多く見られ、初期には症状が軽微で気づきにくかったり、時間が経つにつれて次第に明確になり、安静時にも現れることがあります。運動後に跛行が悪化する傾向もあります。稀ですが、骨腫瘍(骨にできる腫瘍)も考慮する必要があります。

人間の鎮痛剤は絶対に与えてはいけません。

愛犬の苦しそうな姿を見て心が痛む気持ちもよくわかりますが、飼い主さんが独断で人間用の鎮痛剤を子犬に与えてはいけません。イブプロフェンをはじめとする人間用のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、子犬に胃腸出血、潰瘍、腹痛などの深刻な副作用を引き起こす可能性があり、脱水状態ではその危険性がさらに高まります。アセトアミノフェンは獣医師の処方のもとで犬に対して限定的に使用されることがありますが、猫では微量でも致命的であり、犬でも高用量では毒性が現れるため、飼い主さんが独断で用量を決定して投与してはいけません。痛みがひどそうに見えても、必ず獣医師が診断・処方した薬のみを使用してください。

病院に行く前に、自宅でこのような対処をしましょう

病院へ行く前に、自宅でできる応急処置をご紹介します。
活動制限: 走ったり階段の昇降を防ぎ、安静に過ごさせてください。ケージや狭いスペースで休ませるのもおすすめです。
肉球の確認: 肉球の間に異物が刺さっていないか、慎重に確認してみましょう。小さなトゲなどはピンセットで取り除くことができます。
腫脹の確認: 足を優しく触れながら、腫れている部分や熱感がある場所がないかチェックしてください。
記録を残す: どの足を跛行しているか、いつから始まったか、どのような状況で悪化するかなどをメモしておくと、獣医師の診察に大変役立ちます。
自宅で快適に休んでいる子犬

この記事を監修した獣医師

Dr. Tony — Punnawat Phongkittirak

Dr. Tony — Punnawat Phongkittirak

獣医師

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。

よくあるご質問

子犬が跛行していますが、触っても痛がらないようです。大丈夫でしょうか?
触っても痛がらないからといって、油断はできません。初期の関節疾患や軽度の靭帯損傷では、触診だけでは痛みが表れないことがあります。1~2日安静にした後も跛行が続く場合は、動物病院を受診してください。
一時的に跛行(ほこう)を示した後、再び正常な歩行に戻る状態が繰り返されます。どのような理由が考えられるのでしょうか。
間欠的な跛行は、関節疾患、靭帯の異常、発育性疾患など、さまざまな原因で現れることがあります。特に小型犬で、突然後ろ足を上げて走るような動作をした後、再び正常な状態に戻るパターンが繰り返される場合は、関節の構造に問題がある可能性があります。正確な原因を把握するためにも、獣医師による診察を受けることをお勧めします。
散歩の後にだけ足を引きずるようです。運動量を減らすべきでしょうか?
運動後に跛行が悪化する場合は、関節に問題があるサインかもしれません。運動をいきなり中止するのではなく、まず獣医師の診察を受け、適切な運動の強度や種類について相談することをお勧めします。
子犬の跛行の診断はどのように行いますか?
獣医さんはまず、歩行の観察と触診(関節を手で触れて調べる検査)を行います。獣医臨床学の教科書によれば、歩く姿や走る姿を直接観察することが診断の第一歩となります。必要に応じて、レントゲン、超音波検査、関節鏡検査などを追加で行います。
跛行している犬に湿布をする場合、温湿布と冷湿布のどちらがよいのでしょうか?
突然のケガ直後(急性期)には、冷湿布で腫れを軽減するのに役立ちます。慢性的な関節のこわばりには温湿布の方が効果的ですが、熱すぎると火傷の原因となるため、直接皮膚に接触しないようタオルで包んで使用してください。適用時間や方法は症状や状況によって異なるため、正確な使い方は獣医師にご相談ください。

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参考文献

[1] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed — Chapter 15: Musculoskeletal Disorders (Lameness, Stifle)

[2] The Dog Care Handbook: Things I Wish My Vet Had Told Me — Lameness and Orthopaedic Problems

[3] The Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases — Case 44: Forelimb Lameness

[4] Notes on Canine Internal Medicine, 4th Ed — Presenting Complaints: Lameness

この情報は獣医学の文献に基づいて作成されており、診断・治療に代わるものではありません。具体的な健康上の問題は獣医師にご相談ください。

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