生活の質(QoL)評価尺度は、慢性疾患や高齢のペットの日常の満足度を客観的な指標として数値化するツールです。痛み、食欲、活動性などを数値で確認し、治療やケアの方針を決定することができます。

| 項目 | 意味 | チェックポイント |
|---|---|---|
| Hurt(痛み) | 痛みの程度(呼吸能力を含む) | 呼吸が荒い、うめく、動くのを避ける |
| Hunger(食欲) | 自分で食べる量 | 強制給餌が必要かどうか |
| Hydration(水分) | 水分摂取の状態 | 皮膚の弾力、歯茎の湿り気 |
| Hygiene(衛生) | 自分で体を手入れできるか | 毛のもつれ、便・尿による汚れ |
| Happiness(喜び) | 反応・表情 | 飼い主への反応、遊びへの関心 |
| Mobility(動き) | 移動能力 | 自分で立つ、歩く、排泄の姿勢 |
| More good than bad(良い日) | 良い日が悪い日より多いか | 1週間単位で比較 |
各項目を0〜10点で評価/特定の点数よりも合計点の推移が重要で、点数が徐々に下がっていく場合はかかりつけの獣医師とともに再評価が必要です

すぐに病院へ連れて行くべきサイン
以下の症状のいずれかが24時間以上続いた場合は、一刻も早く動物病院を受診してください。具体的には、48時間以上の飲食拒絶、繰り返す呼吸困難、けいれんや発作、立ち上がれない状態、激しい痛みによる震え、歯茎の色が暗赤色または蒼白になっている場合などが挙げられます。また、生活の質(QoL)のスコアが3日連続で低下している場合も、治療方針の再検討が必要になることがあります。

飼い主さんが自分を責めないことが大切です。
QoLスコアが低い値を示したからといって、飼い主のケアが不十分だったわけではありません。この尺度は、責めるためのものではなく、意思決定を支援するためのツールです。スコアが持続的に低下する場合は、完治を目指すことよりも、快適さ(コンフォートケア)を優先する方向へ転換することも、治療の一環となります。必ず主治医の獣医師とスコアシートを一緒に確認し、次のステップを決定してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Villalobos A., Quality of Life Scale (HHHHHMM Scale), Canine and Feline Geriatric Oncology: Honoring the Human-Animal Bond, 2nd Ed, Wiley-Blackwell, 2017
[2] Reid J. et al., Development of the short-form Glasgow Composite Measure Pain Scale (CMPS-SF) and derivation of an analgesic intervention score, Animal Welfare, 2007
[3] Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed, Elsevier, 2023
[4] Introduction to Animal Behavior and Veterinary Behavioral Medicine, Wiley, 2023