妊娠・授乳期のペットは、普段よりも2〜4倍多くのエネルギーとカルシウム、タンパク質が必要です。時期別の給与量と注意すべき栄養素をまとめました。

| 項目 | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| 妊娠1~3週 | 普段の維持量 | 普段の維持量 |
| 妊娠4~6週 | 維持量 × 1.25 | 維持量 × 1.25 |
| 妊娠7~9週 | 維持量 × 1.5 | 維持量 × 1.5 |
| 授乳1~2週 | 維持量 × 2 | 維持量 × 2 |
| 授乳ピーク(3~4週) | 維持量 × 3~4 | 維持量 × 2~3 |
犬は交配後4~5週から、猫は妊娠初期からエネルギーを増やしていく必要があります。子の数と体重によって差が大きいので、体重を毎週測定して調整してください

一般的な成犬・成猫用フードでは、栄養が不足する可能性があります。
妊娠・授乳期には、必ず「全ライフステージ(All Life Stages)」または「成長・繁殖期(Growth & Reproduction)」専用のフードに切り替えてください。成犬・成猫用の維持食はカロリーとカルシウムの含有量が低いため、授乳期に栄養不足を引き起こす可能性があります。フードの切り替えは、妊娠が確認された時点から7~10日かけて、徐々に混ぜながら行ってください。

このような兆候が見られた場合は、すぐに動物病院へお越しください。
授乳期の子癇は命に関わる危険な状態です。震えや筋肉のけいれん(筋束攣縮)、瞳孔の拡大(散瞳)、歩行の失調、全身の硬直(テタニー)、弓状背(後弓反張)、間代性・強直性の筋肉痙攣などの症状が見られた場合は、すぐに動物病院へお越しください。また、母犬が24時間以上餌を食べない、体重が急激に減少する、乳汁の分泌が突然減るなどの兆候がある場合も、直ちに受診が必要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] National Research Council, Nutrient Requirements of Dogs and Cats, Ch.15
[2] Dobenecker B. et al., Milk yield and milk composition of lactating queens, J. Anim. Physiol. Anim. Nutr., 1998