猫の脱水と腎臓障害は、早期発見が命を救う鍵となります。飼い主さんが知っておくべき症状、原因、対処法をまとめました。



すぐに病院を受診する必要がある緊急のサイン
猫が24時間以上水を飲まない、嘔吐を繰り返して元気がない場合は、すぐに病院へ連れて行ってください。これは重度の脱水と腎臓障害の兆候です。獣医師による静脈注射での水分補給と腎機能回復のための治療が必要であり、遅れるほど回復の可能性は低くなります。
| 項目 | 主な症状 | 応急対処 | 病院受診の要否 |
|---|---|---|---|
| 軽症 (3~5%) | 唇がやや乾燥、目の輝きがやや低下 | 水を与える、缶詰フードへ切り替え | 必要時に獣医師へ相談 |
| 中等度 (6~9%) | 唇が乾き、目に輝きがない、無気力 | 直ちに水分補給、病院受診の準備 | 直ちに病院受診が必須 |
| 重症 (10%以上) | 唇が非常に乾燥、眠気、嘔吐、呼吸困難 | 静脈注射が必要、応急治療を開始 | 直ちに救急外来を受診 |
脱水の程度は体重に対する体液喪失の割合で判断します。獣医師が正確な評価を行います。


高齢猫に注意すべき点
年齢を重ねるにつれ、猫は腎機能低下のリスクが高まります。一般的に11~14歳をシニア、15歳以上を老年期(ジェリアトリック)と位置づけ、この時期の猫では慢性腎臓病が頻繁に診断されます。特に慢性腎臓病は高齢猫において高血圧を併発することが多いため、より細やかなケアが必要です。クレアチニンやSDMAの検査を定期的に受けることで早期発見が可能となるため、獣医師と連携して健康管理の計画を立てることが重要です。脱水症状や腎臓の損傷は早期に発見すれば、治療と適切な管理により、より長く生活の質を維持できます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Langston, C.E. et al. (2023) Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Edition. Elsevier.
[2] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition (2022). Elsevier.
[3] Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases (2021). Wiley-Blackwell.