大腿骨頭切除術(FHO)は、損傷した股関節の大腿骨頭を切除して痛みを軽減し、偽関節を形成させる手術です。手術の経過、回復期間、予後についてまとめました。

| 項目 | FHO | THR(人工関節) |
|---|---|---|
| 適した体重 | 小型犬・中型犬が中心(大型犬では予後不良の報告) | 体重を問わない(大型犬に好まれる) |
| 手術の難易度 | 比較的低い | 非常に高い(専門医が必須) |
| 回復期間 | 6〜12週 | 3〜6か月 |
| 関節機能の回復 | 偽関節の形成(機能は限定的) | ほぼ正常な関節機能 |
| 合併症のリスク | 低い | 脱臼・感染などで高い |
| 費用の負担 | 比較的少ない | 非常に大きい |
体重と犬種、飼い主のリハビリ可否を総合して獣医師と相談が必要です。

手術前に必ず確認すべきこと
FHOは一度行ってしまうと取り返しのつかない手術です。大腿骨頭を切除してしまうと、元の関節に戻すことができないため、手術前に以下の点を必ず確認してください。 - 保存療法(鎮痛剤・理学療法・体重管理)で十分に試したか - 保護者が8〜12週間のリハビリに積極的に参加できるか - 手術前の血液検査・心臓検査で麻酔のリスク要因がないか - 両方の股関節が損傷している場合、片方ずつ順次手術する準備ができているか

このような症状が見られた場合は、すぐに動物病院へお越しください。
FHO手術後、多くの場合は順調に回復しますが、以下の症状が見られた場合は合併症の可能性がありますので、直ちに動物病院へお越しください。 - 手術部位から滲出液や膿が出ている、または悪臭がする場合 - 手術後3日経っても、手術した足を全く地面につけない場合 - 高熱(39.5℃以上)が24時間以上持続する場合 - 手術後2週間経っても、痛みでうめき声を上げ続ける場合 - 切開部が開いていたり、縫合糸が抜けていたりする場合

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Fossum TW, Small Animal Surgery, 5th Edition, Chapter on Hip Joint, Elsevier, 2019
[2] Piermattei DL, Flo GL, DeCamp CE, Brinker, Piermattei and Flo's Handbook of Small Animal Orthopedics and Fracture Repair, 5th Edition, Saunders, 2016
[3] Tobias KM, Johnston SA, Veterinary Surgery: Small Animal, 2nd Edition, Elsevier, 2018
[4] Off W, Matis U, Excision arthroplasty of the hip joint in dogs and cats. Clinical, radiographic, and gait analysis findings, Vet Comp Orthop Traumatol, 2010