犬の血液検査結果書にある主な項目とその意味を、飼い主さんの視点に立ってわかりやすく解説します。一般血液検査と血清化学検査の項目別の解釈方法、異常値への対処法までを一度にまとめました。

| 項目 | 確認内容 | 高い場合 | 低い場合 |
|---|---|---|---|
| 赤血球(RBC) | 酸素運搬能力 | 脱水・多血症 | 貧血 |
| 白血球(WBC) | 免疫・炎症反応 | 感染症・炎症・ストレス | 免疫力低下 |
| 血小板(PLT) | 止血能力 | 炎症・反応性血小板増加症 | 出血リスク |
| 赤血球容積率(HCT) | 赤血球の割合 | 脱水 | 貧血 |
| ヘモグロビン(HGB) | 酸素結合タンパク質 | 脱水 | 貧血 |
| 項目 | 確認する臓器 | 値が高い場合 | 値が低い場合 |
|---|---|---|---|
| 肝機能値(ALT) | 肝臓 | 肝炎・肝障害 | 稀 |
| 血中尿素窒素(BUN) | 腎臓 | 腎疾患・脱水 | 肝疾患・低蛋白血症 |
| クレアチニン(CREA) | 腎臓 | 腎不全・脱水 | 筋肉量の減少 |
| 血糖値(GLU) | 膵臓 | 糖尿病・ストレス | 低血糖 |
| 総蛋白(TP) | 全身 | 脱水・炎症 | 栄養不良 |
| アルブミン(ALB) | 肝臓・腎臓 | 脱水 | 肝疾患・腎からの損失 |

このような数値が出た場合は、迅速な対応が必要です。
次の項目が参考範囲を大きく逸脱している場合は、すぐに獣医師にご相談ください。 • 赤血球が参考範囲より著しく低い → 重度の貧血、輸血が必要になる可能性があります • 白血球が極端に高いまたは低い → 深刻な感染症や骨髄疾患の可能性があります • 肝機能値が参考範囲より著しく高い → 急性肝障害の可能性があります • 血中尿素窒素(BUN)とクレアチニンが同時に高い → 腎不全の可能性があります • 血糖値が極端に低い → 低血糖の緊急状態


飼い主さんが必ず覚えておいてほしいこと
血液検査の結果は、その日の健康状態のスナップショットのようなものです。一度の結果だけで病気を確定するのは難しいのです。数値が少し基準値から外れていても、すぐに大病とは限りませんし、逆に正常範囲内であっても、前回の検査結果と比べて急激な変化がある場合は注意が必要です。結果通知書を受け取ったら、インターネットで検索して自分で判断するよりも、獣医師に全体の状況を説明してもらうのが、最も正確で安全な方法です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Stockham SL, Scott MA. Fundamentals of Veterinary Clinical Pathology, 3rd Edition. Wiley-Blackwell. Chapter 2–6: Hematology & Clinical Chemistry.
[2] Tilley LP, Smith FWK. Blackwell's Five-Minute Veterinary Consult: Canine and Feline, 7th Edition. Wiley-Blackwell.
[3] Silverstein DC, Hopper K. Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Edition. Elsevier. Appendix: Reference Ranges for Dogs and Cats.