犬の手術麻酔の安全性とリスク評価基準、麻酔の流れ、高リスク群の管理法、術後の回復まで、飼い主さんが知っておくべき情報をまとめました。

| 等級 | 健康状態 | リスク度 |
|---|---|---|
| 1等級(ASA I) | 健康な犬 | 非常に低い |
| 2等級(ASA II) | 軽度から中等度の全身疾患を有する | 低い |
| 3等級(ASA III) | 重度の全身疾患(活動可能) | 中等 |
| 4等級(ASA IV) | 重度の全身疾患(寝たきりレベル) | 高い |

手術前の絶食は、必ず守ってください。
麻酔中に嘔吐が生じると、胃内容物が気道に入り込み、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。獣医麻酔学の教科書でも、手術前の絶食による患者準備の重要性が強調されています。絶食時間は犬の年齢、健康状態、手術の種類によって異なりますので、獣医師の指示に従って絶食時間を正確に守ることが最も重要です。ただし、生後間もない犬や糖尿病を患っている場合は、低血糖などのリスクがあるため、絶食時間を個別に調整する必要がある場合があります。必ず獣医師の指示に従ってください。


短頭種や特定の犬種では、麻酔のリスクが高くなります。
ブルドッグ、パグ、シーズーなどの短頭種は、鼻が短く気道が狭い構造をしているため、麻酔中に呼吸トラブルが起こりやすい傾向があります。上気道が狭い短頭種は、鎮静や麻酔によって筋肉が弛緩すると、さらに気道が閉塞しやすくなるため、特に注意が必要です。獣医麻酔学の教科書では、上気道閉塞がある患者の場合、麻酔誘導直後にすぐに気管チューブを挿管して気道を確保し、術中にも補助酸素を使用できるよう準備しておくことを推奨しています。また、肺機能が低下している患者はガス交換が減少して低酸素症になりやすいため、麻酔前後には呼吸状態と酸素飽和度を細かく観察し、回復期にも呼吸が安定するまで慎重に見守ることが大切です。このように気道や呼吸管理に特別な配慮が必要な品種の犬の手術は、その品種の麻酔経験豊富な獣医師に任せるのが安心です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Small Animal Anesthesia and Pain Management: A Color Handbook, 3rd Edition
[2] Fossum TW. Preoperative and intraoperative care of the surgical patient. In: Small Animal Surgery. 3rd ed. Boston, MA: Elsevier; 2007.
[3] Hosgood G, Scholl DT. Evaluation of age as a risk factor for perianesthetic morbidity and mortality in the dog. J Vet Emerg Crit Care. 1998;8(3):222-36.
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