膀胱切開術は、結石や腫瘍、異物を取り除くために膀胱を開いて行う泌尿器科の手術です。手術の準備から回復まで、飼い主さんの視点に立った全過程をまとめました。


| 項目 | 主な内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1. 麻酔導入 | 鎮静剤・吸入麻酔で睡眠を導入 | 15〜20分 |
| 2. 手術部位の準備 | 下腹部の毛の除去・消毒 | 10分 |
| 3. 腹壁切開 | 臍の後方の正中線切開 | 5〜10分 |
| 4. 膀胱の露出・切開 | 膀胱の腹側面を切開し、内容物を除去 | 20〜40分 |
| 5. 膀胱・腹壁の縫合 | 吸収性の糸で二重縫合 | 20〜30分 |
| 6. 回復・覚醒 | 麻酔から覚め、痛みの管理を開始 | 30〜60分 |
総手術時間は通常60〜120分で、結石の数や腫瘍の有無によって変わります

手術中および直後に注意が必要な状況
基本的には安全な手術ですが、以下の状況では注意が必要です。 - 尿管損傷: 結石が尿管の入り口付近にある場合 - 縫合部からの尿漏れ: 稀ですが、再手術が必要な場合もあります - 出血: 膀胱壁が厚くなっている場合、出血のリスクが高まります - 低体温・麻酔合併症: 高齢犬や小型犬では特に注意が必要です これらのリスク要因は、獣医師が術前の検査で評価し、手術計画に反映させます。

手術後、すぐに病院へ連れて行くべきサイン
次のような症状が見られた場合は、すぐに再診が必要です。 - 手術後24時間以上、尿が出ない - 鮮血が混じった尿が3日以上続く - 切開部位の腫れ、膿、激しい痛み - 39.5℃以上の発熱、または38℃未満の低体温 - 嘔吐や食欲不振が2日以上続く 膀胱破裂や縫合不全が進むと腹膜炎のリスクがありますので、遅れずにすぐにお連絡ください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Fossum TW, Small Animal Surgery, 5th Edition - Chapter on Surgery of the Bladder and Urethra
[2] Tobias KM, Johnston SA, Veterinary Surgery: Small Animal, 2nd Edition - Cystotomy
[3] Slatter D, Textbook of Small Animal Surgery, 3rd Edition - Urinary Bladder