CBC(全血球計算)は、赤血球・白血球・血小板の値を一度に確認できる基本的な検査です。各項目の正常範囲や異常のサインを知っておけば、健康診断の結果をずっとわかりやすく理解することができます。

| 項目 | 犬の正常範囲 | 猫の正常範囲 |
|---|---|---|
| ヘマトクリット(HCT, %) | 37〜55 | 30〜45 |
| ヘモグロビン(HGB, g/dL) | 12〜18 | 8〜15 |
| 白血球(WBC, ×10³/µL) | 6〜17 | 5.5〜19 |
| 好中球(Neutrophils, ×10³/µL) | 3〜12 | 3〜12 |
| リンパ球(Lymphocytes, ×10³/µL) | 1〜5 | 1.5〜7 |
| 血小板(PLT, ×10³/µL) | 200〜500 | 300〜800 |
参考:獣医血液学の教科書による一般基準です。実際の判読は、病院の検査機器の参考範囲を優先してください。

貧血の数値が表示されたら、すぐに確認しましょう。
HCT値が犬の参考範囲(37~55%)または猫の参考範囲(30~45%)を大きく下回っている場合、あるいは臨床症状を伴う場合は、獣医師による迅速な評価が必要です。歯茎が白っぽく蒼白になったり、ぐったりと力が抜けたように見えたたり、呼吸が速くなったりした場合は、すぐに動物病院へお越しください。出血、溶血(赤血球が破壊される現象)、自己免疫性溶血性貧血(IMHA)、骨髄機能低下などの緊急の要因が隠れている可能性があります。正確な原因の鑑別は、獣医師が臨床症状と追加検査の結果を総合して判断いたします。

猫の結果は少し異なる視点で見る必要があります。
猫は病院に行くこと自体でストレスや興奮反応が起きやすく、リンパ球が一時的に急増する「興奮性白血球増加症」がよく見られます。また、赤血球の大きさ(MCV)は犬よりも小さく、猫特有のハインツ小体が正常時でもわずかに認められることがあります。犬の基準で解釈すると誤解を招きやすいため、必ず「猫専用の参考範囲」を確認してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Harvey JW, Veterinary Hematology: A Diagnostic Guide and Color Atlas, 2012
[2] Weiss DJ, Wardrop KJ, Schalm's Veterinary Hematology, 6th Edition, 2010
[3] Thrall MA, Fundamentals of Veterinary Clinical Pathology, 3rd Edition, 2022