犬の同種犬への攻撃性は、ストレス、不安、警戒心が複合的に作用して現れる行動問題です。飼い主の方が適切な対処法を理解していれば、危険を減らすことができます。



| 項目 | タイプ | 主な特徴 | 対処方法 | 注意事項 |
|---|---|---|---|---|
| 恐怖・不安性攻撃 | 恐怖・不安から、他の犬が近づいたときに威嚇する | 脱感作・拮抗条件付けで情動状態を変える | 不安をあおらないようゆっくり近づいてください | 不安になると攻撃の閾値が下がります |
| 資源防衛性攻撃 | おやつ・おもちゃ・寝床を守ろうとして攻撃する | 交換(拮抗条件付け)トレーニング、代替行動の教育 | 資源を奪わず交換してください | 無理に奪うと攻撃が悪化します |
| 縄張り性攻撃 | 特定の場所で他の犬を警戒して攻撃する | 刺激への曝露管理、環境の調整 | つないだり閉じ込めたりする状況を減らしてください | 拘束・制止するとさらに悪化することがあります |
| 転嫁性(方向転換)攻撃 | 刺激源ではなく、近くにいる犬に攻撃を向ける | 誘発刺激と距離を取る、代替行動の教育 | 興奮を引き起こす刺激を前もって遮断してください | 見当違いの相手がケガをすることがあります |
どのタイプであっても、痛みや疾患といった医学的原因をまず除外し、タイプに合った対処法を選べば効果的な改善が可能です。
直ちに動物病院を受診が必要な場合
犬が他の犬を攻撃してケガを負わせたり、普段とは異なる攻撃性を突然見せたりした場合は、すぐに獣医師にご相談ください。攻撃性そのものが病名ではなく、痛みや内分泌疾患、神経疾患などの身体的な問題のサインである可能性があるため、身体検査と基礎検査でまず医学的な原因を確かめることが重要です。特に痛みや不快感は攻撃の閾値を下げ、わずかな刺激でも攻撃を引き起こすことがあります。攻撃の後に震えたり、ハァハァと息を荒くして緊張している様子も、ストレスが深刻な状態を示すサインです。保護者の方の安全も大切ですので、危険な状況ではすぐに隔離し、専門家の支援を受けてください。

絶対にやってはいけないこと
犬が他の犬を攻撃した際、飼い主さんがすぐに引っ張ったり力づくで止めたりすると、かえって攻撃性が悪化することがあります。また、攻撃の後に犬を叱ったり罰したりすると、不安が増大し、攻撃行動が強化される恐れもあります。犬の感情を理解し、安全な環境でゆっくりとトレーニングを行うことが重要です。即時の介入は必要ですが、攻撃的な反応は避けるべきです。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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