犬の門脈高血圧は、原因を正確に把握し、早期に対処すべき深刻な健康問題です。飼い主さんが必ず知っておくべき重要な情報をまとめました。



直ちに動物病院を受診すべき症状
急な痙攣や昏睡、重度の腹部膨満による呼吸困難、脱力やショック症状が見られた場合は、直ちに動物病院へお越しください。これらは門脈高血圧に伴う肝性脳症や腹水の悪化、出血の兆候である可能性があります。早期治療は生存率を左右する重要な要素となります。飼い主様の迅速な判断と行動が何より大切です。


| 項目 | 分類(解剖学的位置) | 主な原因 | 特徴と対処 |
|---|---|---|---|
| 前肝性 | 門脈(肝臓の前) | 門脈血栓、先天性門脈閉塞、動静脈瘻、慢性胆管炎 | タンパク質の少ない漏出液・腹水、原因血管の評価 |
| 肝内性 | 肝臓自体 | 慢性肝炎、肝硬変(線維化・再生結節)、肝線維症 | 肝機能低下を伴い、画像検査・肝生検が必要 |
| 後肝性 | 心臓・大静脈 | 右心不全、心タンポナーデ、収縮性心膜炎 | タンパク質豊富な漏出液、原因となる心疾患の治療 |
門脈圧はドップラーによる全身血圧ではなく、直接・間接の門脈圧測定で評価し、正確な分類と診断は獣医師が決定します。
注意:薬物相互作用に注意
門脈門脈高血圧や肝疾患の治療薬は、ステロイドや抗生物質などの他の薬と併用すると、肝臓での代謝に影響を及ぼして副作用が生じる可能性があります。必ず獣医師の処方した薬のみを服用し、新しい薬を開始する前には必ずご相談ください。自己判断での投薬は絶対に避けてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed, 2020
[2] Notes on Canine Internal Medicine, 4th Ed, 2019
[3] Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats, 2021