犬や猫の耳は、外耳・中耳・内耳の3つの部分からなるL字型の構造をしています。それぞれの部位の役割と、疾患との関連を、飼い主様にもわかりやすいようにまとめました。

| 項目 | 外耳 | 中耳 | 内耳 |
|---|---|---|---|
| 主な構造 | 耳介、外耳道(L字形) | 鼓膜、耳小骨、鼓室 | 蝸牛、半規管 |
| 主な役割 | 音の収集・伝達 | 振動の増幅 | 聴覚・平衡の感知 |
| 代表的な疾患 | 外耳炎、耳介血腫 | 中耳炎、鼓膜穿孔 | 前庭症候群、難聴 |
| 飼い主の観察ポイント | においや分泌物・掻く仕草 | 頭を傾ける・痛み | ふらつき・眼球の震え |

鼓膜が破れている可能性のあるサイン—自己洗浄は禁止です!
耳から膿のような黄色い滲出液が出たり、頭を強く片側に傾けたり、歩行時にふらついたりする場合は、鼓膜穿孔や中耳炎を疑う必要があります。この状態で一般的な耳洗浄剤を吹き付けると、薬液が中耳や内耳まで流れ込み、聴力障害や前庭症候群を引き起こす可能性があります。自宅で綿棒を使って奥まで拭くのも絶対に避けてください。必ず動物病院で耳鏡(耳内視鏡)を用いて鼓膜の状態を確認し、鼓膜の安全性が証明された薬を使用してください。


タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Noxon JO, Chapter: Diseases of the Ear, in Ettinger's Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition, Elsevier, 2017
[2] Paterson S, Tobias KM, Manual of Ear Diseases of the Dog and Cat, Wiley-Blackwell, 2013
[3] Harvey RG, Paterson S, Otitis Externa: An Essential Guide to Diagnosis and Treatment, CRC Press, 2014