犬の耳血腫(耳血腫)の定義から緊急時の判断基準、手術療法と保存療法の比較、再発防止の管理法まで、飼い主さんが知っておくべき内容をまとめました。


⚠️ すぐに動物病院を受診すべき基準
次のような場合は、治療を先延ばしにしないでください。 • 腫れが1日のうちに目立って大きくなったとき • 耳から血が見えるか、出血量が多いとき • 犬が食欲を失い、元気がないとき • 発熱や脱力感などの全身症状が伴うとき • 耳の奥から強い悪臭や膿性の分泌物が出るとき 自宅で氷で冷やすことや、針で直接排出しようとする試みは絶対に禁止です。針による吸引を誤ると、再び血液が溜まったり、耳がひどくしぼんでしまったり、傷跡が残ったりするなど、軟骨の損傷や感染症が悪化する可能性があります。

| 項目 | 針吸引 | ドレーン挿入 | 切開手術 |
|---|---|---|---|
| 処置の方法 | 注射器で血液を排出 | 細い管を挿入して排液 | 血腫を切開後に縫合 |
| 麻酔 | 局所麻酔 | 局所または鎮静 | 全身麻酔 |
| 再発率 | 高い | 中程度 | 低い |
| 適した対象 | 初期・小型の血腫 | 中くらいの大きさの血腫 | 大きいまたは再発性の血腫 |
| 回復期間 | 即時 | 7~14日 | 14~21日 |
最終的な治療法は血腫の大きさ・再発の有無・年齢・基礎疾患に応じて獣医師が決定します。獣医外科学の教科書では中型以上の血腫に切開手術を優先的に推奨しています。

💡 再発防止チェックポイント
この血腫は、同じ耳で2回以上再発することがよくあります。 • 1か月に1回、耳の状態を目視で確認(発赤・分泌物・臭い) • 外耳炎の既往がある子は、2~3週間ごとに専用洗浄剤を使用 • 水泳や入浴後は、耳の中の水分を完全に乾かす • アレルギー体質の場合は、獣医師と相談して食事・環境管理の計画を立てる • 垂れ耳の品種(コッカー・スパニエル、バセット・ハウンドなど)は、通気のために定期的に耳を持ち上げて乾かす

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Tilley, L.P., Smith, F.W.K., Blackwell's Five-Minute Veterinary Consult: Canine and Feline, 7th Edition, 2021 - Aural Hematoma Chapter
[2] Miller, W.H., Griffin, C.E., Campbell, K.L., Muller and Kirk's Small Animal Dermatology, 7th Edition, 2013 - Diseases of Eyelids, Claws, Anal Sacs, and Ear
[3] Fossum, T.W., Small Animal Surgery, 5th Edition, 2018 - Surgery of the Ear
[4] Ettinger, S.J., Feldman, E.C., Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th Edition, 2017 - Diseases of the Ear