老犬の認知機能障害(CCD)について、保護者の方から最もよく寄せられる質問に獣医学的な観点からお答えします。症状の見分け方から診断・治療、家庭でのケアまで、重要なポイントだけをまとめました。


| 項目 | 軽症(初期) | 中等度 | 重症(末期) |
|---|---|---|---|
| 方向感覚 | 時々立ち止まる | よく道に迷う | 持続的な混乱 |
| 睡眠パターン | わずかな変化 | 昼夜逆転 | ひどい不眠・徘徊 |
| 排泄の失敗 | 時々 | 頻繁に | 完全に失敗 |
| 家族の認識 | 正常 | やや低下 | 認識できない |
| 活動性 | やや減少 | 中程度の減少 | ひどい無気力 |
段階の区分は獣医師が臨床所見をもとに最終判断します

このような症状が見られた場合は、すぐに動物病院へお越しください。
以下の症状は、CCDではなく緊急を要する神経疾患の可能性があります。直ちに動物病院を受診してください。 • 突然、発作や痙攣が始まった • 眼球が片側に逸脱したり、頭が傾いている(斜頸) • 脚に力が入らず、正常に歩行できない • 24時間以内に症状が急激に悪化した

飼い主さんが必ず知っておくべきこと
CCDは進行性の疾患です。治療の目標は完治ではなく、生活の質を維持することにあります。反応が鈍くなり、見知らぬ人のように振る舞うことがあっても、それは犬のせいではありません。叱ったり隔離したりするのではなく、落ち着いて安定した環境を提供することが最も重要です。飼い主さんも感情的に辛い時期を迎える可能性がありますので、獣医師と継続的にコミュニケーションを取られることをお勧めします。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[2] Head, E., Brain aging in dogs: parallels with human brain aging and Alzheimer's disease, Veterinary Therapeutics, 2(3), 2001
[3] Halls, V. et al., Introduction to Animal Behavior and Veterinary Behavioral Medicine, Wiley Blackwell, 2022
[4] Fascetti, A.J. and Delaney, S.J. (eds.), Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Ed, Wiley Blackwell, 2021
[5] National Research Council, Nutrient Requirements of Dogs and Cats, National Academies Press, 2006