ペットに突然の事故や健康上の異常が生じた際、動物病院へ行く前に飼い主が行える応急処置の基本原則と、状況別の対処法をまとめました。

| 段階 | 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|---|
| A(気道) | 気道の開放状態 | 口腔内の異物有無を確認 |
| B(呼吸) | 呼吸の有無 | 胸部の起伏や、鼻の前に手を当てて確認 |
| C(循環) | 心拍の有無 | 左前脚のわき(腋窩)に手を当てて確認 |
| D(意識) | 意識レベル | 名前を呼んだり、肉球を刺激したりして確認 |

この状況では、応急処置よりもまず病院を受診することが優先です。
大量の出血が止まらない、腹部が急速に膨らむ(胃拡張・胃捻転の疑い)、交通事故後に動かなくなる、毒物を摂取した後に痙攣が見られるといった場合は、飼い主さんご自身での処置が困難です。できるだけ体を動かさないよう固定し、体温維持のために毛布で包んだ後、直ちに24時間対応の動物病院へお運びください。


応急処置で絶対にやってはいけないこと
意識がないペットに無理やり水や薬を飲ませると、気道に流れ込んで窒息する恐れがあります。また、毒物を飲み込んだ場合、飼い主の判断で嘔吐を誘発すると食道が損傷する可能性があるため、必ず獣医師の指示に従ってください。さらに、傷に人間用の軟膏や過酸化水素などの消毒液を安易に塗布すると、皮膚刺激や組織損傷を引き起こすため危険です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Silverstein DC, Hopper K. Small Animal Critical Care Medicine. 3rd ed. Elsevier; 2023.
[2] Little S. The Dog Care Handbook: Things I Wish My Vet Had Told Me. 2024.
[3] Drobatz KJ, Reineke E, Costello MF, Culp WTN. Feline Emergency and Critical Care Medicine. 2nd ed. Wiley; 2024.