健康診断書に記載されている白血球の分類(好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球)の数値を、飼い主さんがどのように解釈すればよいかお伝えします。各細胞の数値が上昇したり低下したりした際に疑われる状態についてもまとめました。

| 項目 | 犬の正常範囲 | 猫の正常範囲 |
|---|---|---|
| 総白血球(WBC) | 6,000~17,000 /μL | 5,500~19,500 /μL |
| 好中球(Neutrophil) | 3,000~12,000 /μL | 3,000~12,000 /μL |
| リンパ球(Lymphocyte) | 1,000~5,000 /μL | 1,500~7,000 /μL |
| 単球(Monocyte) | 150~1,350 /μL | 50~850 /μL |
| 好酸球(Eosinophil) | 100~1,250 /μL | 100~1,500 /μL |
| 好塩基球(Basophil) | 0~100 /μL | 0~100 /μL |
獣医臨床病理学の教科書基準(Small Animal Anesthesia and Pain Management, 3rd Ed)。病院の結果用紙の基準範囲を優先して参考にしてください。

このような数値の場合は、すぐに病院にご連絡ください。
単に正常範囲を外れているだけでなく、以下の場合はすぐに獣医師に連絡し、追加検査や再検査が必要です。 • 好中球の絶対数が1,000/μL未満に著しく低下している場合(重症感染症にかかりやすい免疫低下状態) • 総白血球数が正常上限値を著しく超え、重度の白血球増加症が認められる場合(重症感染症・重度の炎症を疑う) • 未熟好中球(帯状好中球)が検出されている場合(左方移行——骨髄が緊急に動員された炎症状態) • リンパ球が正常上限値を大きく超えて持続的に増加している場合(リンパ球性白血病の鑑別が必要)

数値を解釈する際に必ず知っておくべきこと
ストレスや興奮だけで白血球の分布が変動することがあります。病院への移動中に吠えたり、隠れたり、震えていた子は、好中球やリンパ球が一時的に高くなる「ストレス性血球像」を示すことがよくあります。また、ステロイドを服用している場合も、好中球の増加、リンパ球の減少、好酸球の減少が同時に現れることがあります。正確な解釈のためには、最近の投薬履歴と採血時の状態を必ず獣医師にお知らせください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Stockham SL, Scott MA. Fundamentals of Veterinary Clinical Pathology, 3rd Edition. Wiley-Blackwell.
[2] Villiers E, Ristić J. BSAVA Manual of Canine and Feline Clinical Pathology, 3rd Edition. BSAVA.
[3] Robinson NJ, Dean RS. 100 Top Consultations in Small Animal General Practice. Wiley-Blackwell.