猫の真菌性呼吸器感染症は、アスペルギルス属のカビによって引き起こされる重篤な疾患であり、早期発見と適切な治療が重要です。飼い主さんが知っておくべき重要な情報をまとめました。



すぐに動物病院を受診すべきサイン
片側または両側の鼻から血を混じった鼻水(鼻出血)がひどくなる場合、顔が腫れて眼球が突出したり視力が低下したりする場合、呼吸が苦しくなる場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。これは、カビが鼻や副鼻腔を超えて目や脳(篩骨板)側に広がり、深刻な損傷が進んでいるサインであるため、一刻も早く獣医師に相談してください。
| 項目 | 軽症 | 中等度 | 重症度 |
|---|---|---|---|
| 主な症状 | 片側の鼻からの鼻水、くしゃみ、軽い鼻出血 | 膿性の鼻水の増加、両側の鼻への波及、頻繁な鼻血 | 顔の腫れ・眼球の突出、視力低下、神経症状 |
| 治療期間 | おおよそ3か月前後 | 3~10か月 | 10か月以上、眼球・全身への波及時は予後不良 |
| 治療方法 | 経口抗真菌薬(例:イトラコナゾール) | 内視鏡的な真菌プラークの除去+長期の経口抗真菌薬 | 外科的な除去・局所注入治療+長期の抗真菌薬(重症例は予後を慎重に評価) |
治療期間と方法は、猫の状態や菌株によって変わることがあります。獣医師が体重や健康状態に合わせて決定します。



治療中の注意点
抗真菌剤は肝機能に負担をかける可能性があるため、治療中は定期的な血液検査で肝機能をチェックする必要があります。また、他の薬との相互作用がある場合もありますので、併用する際は必ず獣医師にお知らせください。過剰摂取は深刻な副作用を引き起こす可能性があります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Barrs, V. et al. (2007). Feline sino-orbital aspergillosis: an emerging clinical syndrome. Australian Veterinary Journal, 85(3), N23.
[2] Camps, S.M.T. et al. (2012). Discovery of a hapE mutation that causes azole resistance in Aspergillus fumigatus through whole genome sequencing and sexual crossing. PLoS ONE, 7(11), e50034.
[3] Trivedi, S.R. et al. (2011). Clinical features and epidemiology of cryptococcosis in cats and dogs in California: 93 cases (1988–2010). Journal of the American Veterinary Medical Association, 239(3), 357–369.