猫の最期が近づくと、食欲の低下、呼吸の変化、体温の低下といった特徴的な兆候が現れます。飼い主さんが事前にこれらの兆候を知っておけば、猫の最後の時間をより穏やかに迎える準備ができるでしょう。


| 項目 | 初期(3~7日前) | 中期(1~3日前) | 末期(数時間前) |
|---|---|---|---|
| 食欲 | 著しく減少 | ほとんどない | 完全に中断 |
| 活動量 | 歩くのがつらそう | 立ち上がれない | 身動きがない |
| 呼吸 | やや速くなる | 浅く不規則 | あえぎ・長い間隔 |
| 体温 | 正常~やや低下 | 耳・足が冷たい | 全身が冷たい |
| 意識 | 反応が鈍い | 呼ぶとかろうじて反応 | 無反応 |
| 歯茎の色 | ピンク | 蒼白 | 灰色・青みがかった色 |
表の段階別の期間(3~7日、1~3日など)は、現在提示されている教科書の根拠から直接確認された数値ではなく、臨床の参考用の目安値です。個体・疾患によって進行の速さは大きく変わることがあります
このような場合は、最期ではなく緊急事態かもしれません。
一見すると最期の兆候のように見えても、実は治療可能な緊急事態である場合もあります。急な呼吸困難、口を開けたまま呼吸する様子(開口呼吸)、歯茎が青紫色になるチアノーゼ、発作、激しい腹部膨満が見られた場合は、安易に最期と判断せず、すぐに動物病院に連絡してください。特に猫は心臓病や尿路閉塞などが急激に悪化することが多く、最後の瞬間を逃してしまう可能性があります。

獣医師とホスピスケアについて事前に相談してみましょう
末期の癌、腎不全、心不全と診断された猫の場合、最期の時が訪れる前に担当の獣医師とホスピスや緩和ケアの計画を事前に立てておくことをお勧めします。痛みのコントロール、栄養や水分補給のサポートレベル、安楽死の判断基準などをあらかじめ決めておけば、最後の瞬間に慌てることがありません。獣医師は猫の体重や状態に合わせて、鎮痛剤の投与スケジュールと用量を決定してくれます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Drobatz KJ, Hopper K, Rozanski E, Silverstein DC, Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Edition, Wiley-Blackwell, 2022
[2] Little SE, The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Elsevier, 2024
[3] Shearer TS, Palliative and Hospice Care for Companion Animals, Vet Clin North Am Small Anim Pract, 2011;41(3):477-498