犬や猫のアレルギーIgE検査は、血液検査と皮膚検査の2つの方法に分かれます。検査の原理、精度、費用、限界などについて、わかりやすく比較してご説明します。

| 項目 | 血清IgE検査 | 皮内反応検査 |
|---|---|---|
| 検査方法 | 採血後、外部検査機関に依頼 | 毛を刈って皮膚にアレルゲンを注入 |
| 麻酔の必要性 | 不要 | 鎮静剤が必要な場合があります |
| 検査時間 | 採血は短時間ですが、結果は外部検査機関からの返信まで時間がかかります | 当日実施しますが、やや時間がかかる処置です |
| 投薬の中止 | 獣医師の指示に従い薬物の中止が必要な場合があります | 獣医師の指示に従い、より長い中止が必要な場合があります |
| 正確度 | 偽陽性・偽陰性の可能性があり、臨床症状とあわせて解釈が必要です | 皮膚科専門医の判読時に好まれますが、偽陽性・偽陰性の可能性があります |
| 専門性 | 一般病院で可能 | 皮膚専門病院を推奨 |
| 適用 | 犬・猫ともに可能(猫は信頼性に限界あり) | 主に犬に活用、猫は判読・信頼性に限界あり |
費用・時間・アクセスは病院・地域によって差があります。

検査前に必ずご確認ください
アレルギーIgE検査は、寄生虫や細菌の感染、食物アレルギーを先に除外した後に実施する意味のある検査です。この手順を飛ばすと、金銭と時間の無駄になる可能性があります。また、検査前に服用中のステロイドや抗ヒスタミン剤は結果に影響を与えるため、獣医師が指示した中断期間を必ず守ってください。検査当日に急に薬を中止すると、かえって危険な場合もありますので、必ず事前に相談して調整を行ってください。

猫の場合は事情が異なります。
猫は犬と診断状況が異なります。教科書によれば、猫の場合、血清IgE検査(ASIS)の信頼性がまだ十分に証明されておらず、健康な猫や他の痒み疾患を持つ猫との区別が難しいという限界が報告されています。そのため、猫のアトピー性皮膚症候群(FASS)は検査結果だけで診断せず、寄生虫・真菌・細菌感染症や食物アレルギーをまず除外した上で、臨床症状と治療反応を総合的に判断します。検査を行う場合でも、その結果は臨床所見と合わせて慎重に解釈する必要があります。猫の皮膚疾患は診断が難しいため、必ずしも獣医皮膚科専門医による診療が必要となる場合があります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Edition - Allergy testing and allergen-specific immunotherapy
[2] Favrot C. et al., A prospective study on the clinical features of chronic canine atopic dermatitis and their diagnostic value, 2010
[3] Veterinary Immunology, 11th Edition - Diagnostic Criteria for Canine Atopic Dermatitis