愛玩動物の疼痛評価は、行動・姿勢・反応を総合的に観察し、疼痛の程度を点数に換算する方法です。保護者が自宅で確認できるサインから、獣医師が使用する公式なスケールまでをまとめました。

| 項目 | グラスゴー複合疼痛スケール(CMPS) | コロラド急性疼痛スケール | フェライン・グリマス・スケール(FGS) |
|---|---|---|---|
| 対象 | 犬 | 犬・猫 | 猫専用 |
| 評価方法 | 行動・姿勢・反応の観察 | 痛みスコアの視覚化 | 顔の表情(耳・目・ひげなど) |
| 所要時間 | 複数の項目を評価するため比較的長いです | 比較的簡単で短いです | 表情中心で短いです |
| 飼い主の活用 | 難しい | 可能 | 可能 |
実際の診断・投薬の決定は必ず獣医師が行う必要があります。

すぐに病院へ連れて行くべき緊急のサイン
次のような兆候が見られた場合は、痛みの程度に関わらず、すぐに動物病院へお越しください。 - 呼吸が浅く速くなり、歯茎の色が白っぽくまたは紫がかった場合 - 腹部が硬く膨らんだり、触ると悲鳴を上げたりする場合 - 痙攣、立ち上がれない状態、意識レベルの低下が伴う場合 - 手術後、突然痛みが激しくなった場合(出血や縫合部の問題が考えられます) - 24時間以上水を飲まず、隠れて過ごしている場合 これらは単なる痛みを超え、ショック、腹部痛、内出血などの緊急事態を示すサインです。

飼い主さんが記録しておくとよいこと
病院へ通院する前に、以下の点をメモしておくと、獣医師による疼痛評価がより正確になります。 - 症状がいつ始まり、どのくらい続いているか - 特定の動作(立ち上がり、階段の上り下りなど)で痛みが強まるかどうか - 食事量や排泄回数の変化 - 普段と比べて活動量がどう変化しているか - 触れたときに反応を示す部位 短い動画を残しておくと、獣医師が実際の歩行や姿勢を確認できるため、診断に大きく役立ちます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Cenani A., Barter L.S., Pain Assessment — Small Animal Critical Care Medicine 3rd Ed., Chapter 131
[2] Hansen B.D., Analgesia and sedation in the critically ill, J. Vet. Emerg. Crit. Care 15(4):285–294, 2005
[3] Mathews K.A., Pain assessment and general approach to management, Vet. Clin. North Am. Small Anim. Pract. 30(4):729–755, 2000
[4] International Association for the Study of Pain (IASP), Classification of Chronic Pain 2nd Ed., 2012
[5] Advanced Monitoring for Small Animal Emergency and Critical Care 2nd Ed. — Pain Monitoring Chapter