猫の飼い主さんが1年間で管理すべきワクチン接種、健康診断、寄生虫予防、歯のケアのスケジュールを月別にまとめた実践的なケアカレンダーです。

ケアを開始する前に必ず確認すべきこと
予防接種や健康診断のスケジュールを立てる前に、まずは愛猫の「基本情報」を整理しましょう。生年月日(推定可)、里親になった時期、過去の接種履歴、現在の体重、室内飼いか屋外に出るか、多頭飼いかどうかをメモしておいてください。これらの情報が揃っていないと、不要な接種を繰り返したり、必要な予防を見逃したりする可能性があります。保護猫として里親になった場合は、まず抗体検査を検討しましょう。


| 項目 | 猫(0~1歳) | 成猫(1~7歳) | 高齢猫(7歳以上) |
|---|---|---|---|
| 健康診断の頻度 | 年2~3回 | 年1回 | 年2回(6か月ごと) |
| 混合ワクチン | 基礎3回+追加接種 | 毎年1回(または抗体価) | 毎年1回(または抗体価) |
| 血液検査 | 迎え入れ時に1回 | 年1回が基本 | 年2回の精密検査 |
| 尿検査 | 推奨 | 年1回 | 年2回(必須) |
| 血圧測定 | False | False | True |
| 歯のケア | 乳歯の生え替わりの確認 | 年1回のスケーリングの相談 | 6か月ごとにチェック |
| 寄生虫予防 | 月1回 | 月1回 | 月1回 |
室内外での生活、多頭飼育、猫種によって項目が追加されることがあります。

品種・体質別の追加注意点
特定の品種では、年間のケア項目をさらに追加することをお勧めします。ペルシャ・ヒマラヤン・メインクーンのような長毛種は、先天性・遺伝性疾患の素因があることが知られており、心臓超音波検査のように構造的異常を確認する検査や、品種別の遺伝子検査を定期的に検討すると良いでしょう。一部の遺伝性疾患はDNA検査で確認できるため、事前にリスクを把握することができます。関節に負担がかかりやすい体形の猫には、変性性関節疾患(DJD)のスクリーニングを追加し、肥満体質の猫には体重・体型のモニタリング間隔をより短く設定してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition - Senior Cat Care
[2] AAFP/AAHA Feline Life Stage Guidelines, 2021
[3] ISFM Consensus Guidelines on the Diagnosis and Management of Hypertension in Cats, 2017