猫の注射部位肉腫(FISS)について、定義や原因、症状、早期診断基準、治療法、再発予防など、飼い主さんが知っておくべき情報をまとめました。


1-2-3ルール:今すぐ病院へ行くべき基準
国際的に通用する「1-2-3ルール」のいずれかに該当する場合は、すぐに動物病院を受診してください。1)注射後のしこりが3か月以上持続する、2)しこりの大きさが2cm以上である、3)接種後3か月以内に急速に大きくなる。これらの基準に当てはまる場合、単なる触診ではなく、組織検査(穿刺生検または切開生検)が必須となります。「もう少し様子を見てみましょう」という対応は、生存率を著しく低下させる要因となります。

再発防止と今後の予防接種
FISSの病歴がある猫は生涯にわたる経過観察が必要です。今後のワクチン接種は、獣医師と相談して本当に必要なもののみを最小限に抑え、可能であれば不純物(補助剤)を含まない組換えワクチン(例:PureVax)を選択してください。国際猫獣医協会(AAFP)などのガイドラインでは、接種部位を切除が困難な肩甲骨間ではなく、腫瘍が発生した場合に切除(必要に応じて切断)が可能な後肢・前肢の膝・肘より遠位部、または尾部などの部位で行い、広範な切除により治癒率を高めることを推奨しています。接種部位、日付、ワクチン種類は必ず記録しておいてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Little, S. E., The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Chapter on Feline Injection-Site Sarcoma
[2] Kudnig, S. T. & Séguin, B., Veterinary Surgical Oncology, 2nd Edition, Chapter on Feline Injection-Site Associated Sarcoma
[3] Hartmann, K. et al., Vaccination of Immunocompromised Cats, Journal of Feline Medicine and Surgery, 2015