犬の熱中症は、暑い環境で体温調節が失敗し、命を脅かす緊急の疾患です。予防と早期対応が重要です。



直ちに動物病院を受診すべき緊急のサイン
意識がない、または痙攣が起きた場合は、直ちに動物病院へ搬送してください。体温が急激に上昇したり、パンティング(息切れ)が突然止んだりした場合も、緊急事態です。冷却処置は病院へ向かう途中から始めるのが望ましいですが、過度な冷却は正常体温を下回る「反動性低体温症」を引き起こす可能性があります。そのため、体温が正常範囲(約39度台)に近づいたら、冷却のペースを緩めたり中止したりする必要があります。氷水のような極端に冷たい水よりも、やや冷たい水を使用する方が安全で効果的です。

| 項目 | 方法 | 効果 | 注意事項 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 室内温度の調整 | 高い | エアコン使用時は24〜26度を維持 | 空気の循環に注意 | 安価 |
| 散歩時間の調整 | 中程度 | 朝6〜8時、夕方7〜9時 | 湿度の高い日は避ける | 無料 |
| 車内への放置禁止 | 非常に高い | 絶対禁止 | 非常用の水を準備 | 無料 |
| 冷却用の水の準備 | 中程度 | ぬるめの涼しい水を準備 | 氷水・急激な冷却は禁止 | 安価 |
短頭種(ブラキセファリック)はすべての方法を併用する必要があります。


短頭種犬は熱中症のリスクが高いです。
ブルドッグ、パグ、フレンチブルドッグ、ペキニーズ、シーズーなどの短頭種は、鼻が短く気道の構造が特殊なため、暑さに非常に弱いです。これらの犬種は散歩中にも簡単に過熱してしまうため、時間と環境を慎重に管理し、冷却対策を事前に準備しておく必要があります。暑い日のハァハァ呼吸は、むしろ気道の腫れを悪化させる可能性があるため、熱中症が発生した際には迅速な対応が命を救うことになります。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Drobatz, K.J. (2023). Heat Stroke in Dogs: Pathophysiology and Management. Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Edition.
[2] Bruchim, Y. et al. (2017). Hemostatic abnormalities in dogs with naturally occurring heatstroke. Journal of Veterinary Emergency and Critical Care, 27(3), 315–324.
[3] The Dog Care Handbook, Things I Wish My Vet Had Told Me (2023). Chapter on Heat-Related Illnesses in Brachycephalic and Overweight Dogs.