犬の腹膜透析は、腎機能が著しく低下している場合に用いられる生命維持療法です。正確な診断と徹底的な管理が重要です。



直ちに動物病院を受診すべき緊急のサイン
犬が急に元気を失い、激しい嘔吐を繰り返したり、尿を一切出さなくなったりした場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。これは急性腎不全の兆候であり、24時間以内に治療を開始しないと命に危険が及ぶ可能性があります。腹膜透析が必要なケースも含まれますので、遅延すると死亡率が高くなります。



品種別の注意点と再発予防
腹膜透析を受けた犬は、基礎となる腎臓疾患の種類や損傷の程度に応じて腎機能が再び悪化する可能性があるため、定期的な健康診断と血液検査を通じてBUNやクレアチニンなどの腎機能指標を継続的にモニタリングすることが不可欠です。また、エチレングリコール(不凍液)やブドウ・レーズンなどの腎毒性物質への曝露を避け、十分な水分摂取を維持して脱水を防ぐことも重要です。カテーテル挿入部位の感染兆候を毎日確認し、獣医師が推奨する食事と管理ガイドラインを確実に守って、再発や合併症を予防してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 腹膜透析 | 血液透析 |
|---|---|---|
| 装置の必要性 | 腹膜透析カテーテル、透析液 | 大型の血液透析器、静脈(血管)アクセス |
| 治療頻度 | 患者の状態に応じて1日に数回交換 | 専門施設で定期的に実施 |
| 家庭での適用可能性 | 高い | 低い |
| 費用 | 中程度 | 高い |
| 感染リスク | 腹腔(腹膜炎)感染リスク | 血管感染リスク |
腹膜透析は家庭で行うことができ、長期的な管理に有利ですが、感染のリスクがあります。血液透析は効果的ですが、装置と専門の人材が必要です。
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[1] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 8th Edition, 2018. Wiley-Blackwell.
[2] Feldman, B. F., & Nelson, R. W. (2013). Canine and Feline Nephrology and Urology (2nd ed.). Elsevier Saunders.
[3] Kirk, C. W., & Bunch, S. E. (2017). Veterinary Critical Care Medicine. Wiley-Blackwell.