犬のミトタンとトリロスタンは、副腎皮質機能亢進症の治療に用いられる薬剤です。正確な診断と定期的なモニタリングが不可欠です。



すぐに病院を受診する必要がある緊急のサイン
強い無気力、食欲不振、嘔吐、下痢、脱力など、副腎機能低下(副腎危機)が疑われる症状が見られた場合は、すぐに病院へお越しください。ミトタンやトリロスタンの過剰摂取により、永久的な副腎壊死と機能低下が生じると、命に関わる可能性があります。



品種別の注意点と再発予防のコツ
一部の犬種では副腎皮質機能亢進症がより頻繁に報告されることもありますが、犬種に関係なく発症する可能性があるため、高齢の犬は特に注意深く観察する必要があります。治療後もACTH刺激検査などの定期的な健診で再発の有無を確認し、獣医師と相談せずに急に薬を中止しないでください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | ミトタン | トリロスタン |
|---|---|---|
| 作用機序 | 副腎皮質細胞(束状層・網状層)を破壊 | 副腎ステロイド合成の抑制(コルチゾール・アルドステロン) |
| 副作用の頻度 | 高い(過量投与時は永久的な副腎壊死・機能低下のリスク) | 低い(比較的安全で、一般的によく耐えられます) |
| モニタリング方法 | ACTH刺激試験・ALP・臨床症状 | ACTH刺激試験・pre-pillコルチゾール・臨床症状 |
| 定期検査の必要性 | 3〜6か月ごと(初年度は用量調整のため) | 臨床症状・ACTH刺激試験の結果に応じて定期的に |
| 適した場合 | 下垂体性・副腎性のどちらにも使用可能 | 副腎腫瘍の手術前準備、手術不能な副腎腫瘍、長期管理 |
獣医師が患者さんの状態に応じて最も適した薬を選びます。
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[1] BSAVA. (2023). BSAVA Manual of Canine and Feline Dermatology, 4th Ed.
[2] Ettinger, S.J., Feldman, E.C., Côté, E. (2017). Textbook of Veterinary Internal Medicine, 8th ed. Elsevier.
[3] Feldman, E.C., Nelson, R.W., Reusch, C. (2015). Canine and Feline Endocrinology and Reproduction, 4th ed. Elsevier.