犬の肝炎の定義や、感染性・慢性・特発性など原因別の違いを整理し、疑われる症状、診断方法、治療の段階、家庭でのケアのポイントまでを、飼い主の立場に立ってわかりやすく解説します。


このような兆候が見られたら、すぐに救急病院へ
次の症状は、肝不全または肝性脳症の可能性があります。24時間以内に24時間対応の動物病院を受診してください。 - 歯ぐきや白目がはっきりと黄色く変色する黄疸 - ぼんやりと一点を見つめたり、発作を起こす - 黒い便(消化管出血)または血が混じった嘔吐 - 24時間以上水も飲めないほどの食欲不振 - 急激に膨らんだ腹部と呼吸困難
| 項目 | 感染性肝炎 | 慢性特発性肝炎 | 銅蓄積症 |
|---|---|---|---|
| 主な治療 | 細菌性(レプト)は抗生物質、ウイルス性(ICH)は支持療法 | 免疫抑制剤(プレドニゾロンなど)・食事管理 | 銅排出剤・低銅食 |
| 治療期間 | 2~4週 | 数か月~生涯 | 生涯管理 |
| 再発リスク | 低い(回復後) | 中~高 | 高い(遺伝的) |
| 予防接種との関連 | DHPPL(CAV含む)で予防可能 | 該当なし | 該当なし |
治療の決定は必ず獣医師が生検・検査結果を見て判断します。

品種別の追加注意事項
ベドリントン・テリア、ドーベルマン・ピンシャー、ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ラブラドール・レトリバーは、遺伝的に銅が肝臓に蓄積し、慢性肝炎へと進行するリスクが高い犬種です。これらの犬種では、症状がなくても年に1回、ALTを含む肝機能検査を受けることをお勧めします。また、コッカー・スパニエルとイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、原因が特定しにくい特発性(原因不明)の慢性肝炎に好発する犬種として知られています。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Webster CRL, Center SA, Cullen JM, et al. ACVIM consensus statement on the diagnosis and treatment of chronic hepatitis in dogs. J Vet Intern Med, 2019;33:1172-1200.
[2] Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Edition — Canine Chronic Hepatitis chapter
[3] Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Edition — Hepatitis and Hepatic Failure chapter
[4] Notes on Canine Internal Medicine, 4th Edition — Hepatobiliary Disorders chapter