猫の門脈全身短絡症(PSS)は、肝臓へ向かう血液が通常の経路を迂回して全身循環に直接流入する先天性の疾患です。その結果、有毒物質が適切に除去されず、神経学的症状が現れます。



すぐに動物病院を受診すべき症状
猫が突然失神したり、けいれんを繰り返したりする場合は、すぐに病院へ連れて行ってください。これは脳に毒性物質が蓄積して深刻な損傷を受けているサインです。また、嘔吐や食欲不振が24時間以上続く場合も、緊急の診察が必要です。



品種別の注意点と再発予防
門脈全身短絡症(PSS)は、ドメスティック・ショートヘアをはじめ、バーミーズ、シャム、ペルシャ、ヒマラヤンなど、さまざまな猫の品種で報告されています。犬とは異なり、猫ではオスに発症しやすい傾向があります。遺伝的要因が関与していると考えられるため、里親になる際には品種や健康記録を確認することをお勧めします。また、手術後も結紮が不完全であったり、後天性の側副血流量が増加したりすることで短絡が持続する可能性があるため、定期的な健康診断と薬物管理が重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 手術治療 | 薬物治療 | 食事管理 |
|---|---|---|---|
| 効果 | 高い | 中程度 | 補助的 |
| 費用 | 高い | 低い | 低い |
| 回復期間 | 2〜4週間 | 継続的 | 継続的 |
| 再発の可能性 | 低い | 中程度 | 高い |
手術が最も効果的ですが、費用がかかり回復期間も長くなります。薬物治療と食事管理は補助的な役割を担い、継続的な管理が必要です。
シェア
[1] Fowler, L.B., C.M. Johannes, A. O’Connor, et al. 2020. Ecological level analysis of primary lung tumors in dogs and cats and environmental radon activity. J Vet Intern Med 34(6):2660–2670.
[2] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition. 2020. Polizopoulou ZS, Koutinas AF, Souftas VD, et al. Diagnostic correlation of CT-MRI and histopathology in 10 dogs with brain neoplasms.
[3] Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed. 2021. Nasopharyngeal Stenosis: Diagnosis and management in cats. J Vet Intern Med 24(6):1427–1435.