猫の蛋白尿は、腎機能の異常を示唆する重要なサインです。UPC比は蛋白尿を定量的に評価する上で重要な指標であり、早期発見と適切な管理が大切です。



すぐに動物病院を受診が必要な状況
猫が激しい嘔吐、食欲消失、ショック状態(唇が青ざめたり意識を失ったり)、または尿を全く出さない場合は、直ちに動物病院へ連れて行ってください。これは、尿道閉塞や急性腎障害のように急速に進行する緊急事態を意味している可能性があります。特に重症の猫では、尿量を時間単位で確認する必要があります。また、UPC比が2.0を超えた場合は重症な蛋白尿とみなし、持続性の確認を待たずに直ちに治療を開始すべきです。



猫の品種別注意点と再発予防
多嚢胞性腎疾患や遺伝性腎症などの特定の遺伝性疾患を持つ猫は、腎臓の問題により脆弱である可能性があります。蛋白尿が確認された猫は腎臓病が進行する恐れがあるため、定期的な検査(3〜6ヶ月ごと)で経過を観察することが望ましいです。獣医師が処方した薬物の服用や食事療法を勝手に中断せず、継続して維持してください。ストレス要因を減らし、一定の生活リズムを保つことも役立ちます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
| 項目 | 段階 | UPC比の範囲 | 主な特徴 | 主な管理の方向性 |
|---|---|---|---|---|
| 境界線 | 0.2〜0.4 | 正常とタンパク尿の境界 | 尿中のタンパク質がわずかに増加 | 再検査で持続性を確認、ストレス管理、食事管理 |
| 軽症 | 0.4〜1.0 | タンパク尿がある状態 | 初期には明らかな症状がないことがある | 原因の評価、定期検査、必要時の食事管理 |
| 中等度 | 1.0〜2.0 | 腎障害の進行が疑われる | 多飲・多尿、体重減少などを伴う可能性 | 原因治療、タンパク・リン制限食、定期管理 |
| 重症 | 2.0以上 | 重症のタンパク尿 | 嘔吐、食欲喪失などの全身症状の可能性 | 持続性の確認を待たずに直ちに治療を開始、集中管理 |
UPC比は空腹の状態で測定するのが正確です。血液や炎症がある場合は結果が歪むことがあります。
シェア
[1] Sparkes AH, Caney S, Chalhoub S, et al. ISFM consensus guidelines on the diagnosis and management of feline chronic kidney disease. J Fel Med Surg. 18(3):219–239, 2016.
[2] Littman MP. Protein-losing nephropathy in small animals. Vet Clin North Am Small Anim Pract. 41(1):31–62, 2011.
[3] Feline Emergency and Critical Care Medicine, 2nd Ed. Normal feline UPC values are <0.2. Inflammation and blood contamination can increase urine protein content.