猫の肺腺がんは、肺の組織に発生する悪性腫瘍で、初期には症状がほとんどないため、発見が遅れるケースが多いです。早期の診断と適切な治療が、生存期間の延長に決定的な役割を果たします。


すぐに緊急の動物病院へ連れて行くべきサイン
以下の症状は、直ちに処置が必要な緊急事態です。翌日まで待たず、すぐに動物病院へお越しください。 • 口を開けてハアハアと息をしている場合 • 歯茎や舌の色が青白く、あるいは白っぽく変色している場合 • 突然倒れたり、立ち上がれなくなったりする場合 • 胸腔に胸水(液体)が溜まり、呼吸が非常に苦しい場合


予後と転移について知っておきましょう
猫の肺腺がんの予後は、転移の有無によって大きく異なります。獣医腫瘍学の教科書によれば、原発性肺腫瘍は診断時点で既に転移を伴っているケースが多く、報告によっては76~80%で転移が確認され、70%以上は転移や局所浸潤により手術が困難な状態であることが知られています。リンパ節や遠隔転移が確認されると、予後がさらに悪化し、生存期間も短くなる可能性があります。 転移は肺内の多発性結節だけでなく、胸膜、骨、骨格筋、肝臓や腎臓などにも起こり得ます。そのため、前脚の腫脹や跛行など、肺とは関係なさそうな異常が現れても、肺を併せて検査することが重要です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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