ノルウェージャンフォレストキャットに多い肥大型心筋症(HCM)の原因、症状、早期発見のための検査方法、そして日常生活でのケアのポイントについて、飼い主様にもわかりやすくまとめました。


このような症状が見られた場合は、すぐに動物病院へお越しください。
猫の口呼吸、後足の急な麻痺、体温低下、歯茎が青紫色になるチアノーゼが見られたら、すぐに緊急治療を受けましょう。特に後足の麻痺は動脈血栓塞栓症の可能性が高く、発症から時間が経つほど回復の可能性が下がります。移動中は無理に歩かせず、毛布に包んで安定した姿勢で運んでください。

| 項目 | 軽症(無症状) | 中等度(無症状・高リスク) | 重症(心不全期) |
|---|---|---|---|
| 心臓超音波の所見 | 左心室肥大、左心房は正常~軽度の拡張 | 左心室肥大、左心房は中等度~重度の拡張 | 左心室肥大 + 肺水腫・胸水など心不全の所見 |
| 症状の有無 | なし | なし(潜在期、高リスク) | 呼吸困難・失神など心不全の症状 |
| ATE・心不全のリスク | 低い | 高い | すでに発生している、または既往あり |
| 管理 | 定期的な経過観察 | より頻繁な経過観察および必要に応じて薬物・血栓予防を検討 | 心不全・血栓の治療と救急管理 |
| 検診の周期 | 年1回の経過観察 | 獣医師の判断に応じてより頻繁に(例:6か月) | 獣医師の指示に応じて随時 |
ACVIMの病期(左心房の大きさ・臨床症状を基準)を簡略化した表です。左心室壁の厚さの正常基準値は専門家の間でも合意が不足しているため、実際の診断・病期分類は必ず獣医師の心臓超音波による判断に従ってください。

睡眠中の呼吸数を記録する習慣をつける
肥大型心筋症(HCM)が進行して心不全が始まると、肺に水がたまる(肺水腫)ことで、安静時の呼吸数が速くなる変化が比較的早期に現れることがあります。そのため、愛猫が眠っているときやリラックスしているときに、1分間の胸の起伏の回数を数えて記録しておくと役立ちます。一般的には1分間30回未満を基準とし、普段より明らかに呼吸数が速くなったり、呼吸が苦しそうにみえたりする場合は、肺水腫の初期段階である可能性があり、迅速な受診が必要です。週に1〜2回継続的に記録することで、わずかな変化も早期に気づくことができます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Textbook of Cardiovascular Medicine in Dogs and Cats — Hypertrophic Cardiomyopathy Chapter
[2] The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition — Feline Cardiomyopathies
[3] The Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases — Case 38 (HCM with ATE)