動物腫瘍科の専門医がどのような診療を行うのか、いつ紹介すべきなのか、さらに診療の流れや費用など、飼い主さんが知っておくべき重要な情報をまとめました。

| 項目 | 一次動物病院 | 腫瘍科専門医 |
|---|---|---|
| 主な診療範囲 | 一般健康診断・初期診断 | がん確定診断・病期設定・治療の専任 |
| 細針吸引検査 | 可能 | 可能 + 細胞病理判読の精度が高い |
| 組織検査の解釈 | 外部委託 | 院内または専任病理医と協診 |
| CT・MRIの活用 | 大型病院の一部で可能 | 病期設定用の標準検査 |
| 抗がん治療 | 経口抗がん剤の一部 | 静脈抗がん・免疫治療・プロトコル管理 |
| 放射線治療 | 不可 | 専門センターとの協力が可能 |
実際に診療可能な範囲は病院によって差があります。

診察予約前に必ず準備しておきたい資料
一次病院で受けた検査資料を事前に整理してお持ち帰りいただければ、検査の重複や時間の無駄を減らすことができます。 - 最近の血液検査結果(CBC、血清化学、電解質) - X線・超音波の原本画像(CDまたはメール) - 穿刺吸引・生検の診断結果書 - 服用中の薬のリスト(用量・頻度を含む) - 症状の開始日と変化の推移に関するメモ 可能であれば、一次病院から診断書を受け取り、持参してください。

このような兆候が見られた場合は、すぐに病院にご連絡ください。
抗がん剤治療や手術治療中に、次のような症状が現れた場合は、すぐに担当医にご連絡ください。 - 24時間以上続く嘔吐や下痢 - 完全な食欲低下(12時間以上何も食べない状態) - 高熱(39.5℃以上)または低体温 - 出血、歯ぐきの蒼白、強い元気のなさ - 手術部位の赤みや腫れ、滲出液の出現 特に抗がん剤治療後には、白血球が一時的に減少する時期があります。この時期は、小さな感染症でも急速に緊急事態に発展する可能性があります。抗がん剤ごとに毒性が現れる時期はある程度決まっていますので、その時期を知って事前に準備をしておくことで、適切な支持療法をタイムリーに受けることができます。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Withrow & MacEwen's Small Animal Clinical Oncology, 6th Edition, Vail DM, Thamm DH, Liptak JM, Elsevier, 2020
[2] BSAVA Manual of Canine and Feline Oncology, 3rd Edition, Dobson JM, Lascelles BDX, BSAVA, 2011
[3] American College of Veterinary Internal Medicine (ACVIM) Oncology Specialty Guidelines