新生児の犬や猫に見られる緊急のサインと、保護者が直ちに取るべき対応策を、獣医学の教科書に基づいてまとめました。

| 項目 | 生後1週 | 生後2~3週 | 生後4週 |
|---|---|---|---|
| 正常体温 | 34.4~36.1℃ | 36.1~37.7℃ | 37.7~38.9℃ |
| 心拍数(1分間) | 約180~200回 | 約180~200回 | 約180~200回 |
| 呼吸数(1分間) | 15~35回 | 20~40回 | 20~40回 |
| 授乳間隔 | 2時間 | 3時間 | 4時間 |
新生児の心拍数は1分間に約180~200回が正常範囲と報告されています(Advanced Monitoring for Small Animal Emergency and Critical Care基準)。成長するにつれて子犬は約110~120回、子猫は約130~140回へと次第に下がり、呼吸数は生後4週頃に成体と同じ1分間に20~40回になります。種・個体による差があります。

直ちに動物病院を受診すべき基準
以下のいずれかの症状が見られる場合は、夜中でも24時間対応の動物病院へお越しください。体温が34℃以下、口腔内や舌が青紫色または蒼白、痙攣や発作、腹部の膨張と硬直、呼吸数が1分間15回以下であるか、20分以上続く激しい呼吸、母犬が子犬を突き出したり噛んだりする行動です。搬送中はタオルでくるんで体温を保ち、低血糖を防ぐために歯ぐきにハチミツを薄く塗ってあげてください。

してはいけない行動
緊急時、誤った対処はかえって大きな被害をもたらすことがあります。冷えた体に湯たんぽを直接当てないでください(やけどや急激な血管拡張のリスクがあります)。低体温状態では、ミルクや水を無理やり飲ませないでください(誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります)。口の中にハチミツを注がないでください(飲み込めないと気道を塞いでしまいます)。人間の薬(解熱剤・鎮痛剤)は絶対に使用しないでください。インターネットで見た「民間療法」に頼って時間を無駄にすることが、最も危険です。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Advanced Monitoring for Small Animal Emergency and Critical Care, 2nd Ed — Neonatal Resuscitation Chapter
[2] Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Ed — Neonatal Sepsis & Emergency
[3] Veronesi MC et al., APGAR scoring in canine neonates, 2009