元気がない、疲れ、病気は、回復の速さと伴う症状で区別します。24時間以上続いたり、食欲低下や嘔吐が一緒に現れる場合は、病気のサインかもしれません。

| 項目 | 単純な疲労 | 無気力 | 病的な衰弱 |
|---|---|---|---|
| 持続時間 | 数時間以内 | 半日〜1日 | 24時間以上 |
| 食欲 | 正常 | 普段と同程度 | 減少・拒否 |
| 回復の速さ | 休息後すぐ | 睡眠後に徐々に | 回復しない |
| 併発症状 | なし | ほとんどなし | 嘔吐・発熱・咳など |
| 反応性 | 正常 | やや遅い | 呼びかけへの反応が鈍い |
| 病院受診 | 不要 | 観察後に判断 | すぐに必要 |
チェック項目が3つ以上『病的な衰弱』の列に該当する場合は当日の受診をおすすめします

このような兆候が見られた場合は、すぐに動物病院へお越しください。
次の症状が元気の低下とともに現れた場合は、緊急事態です。1日以上何も食べなかったり、嘔吐や下痢が繰り返されたり、息切れをして歯茎が白っぽくなったりした場合は、すぐに夜間救急病院へ連れて行ってください。特に猫は、食欲不振が数日続くと脂肪肝(肝リピドーシス)のリスクが高まる可能性があるため、ほとんど食べない状態を軽く見過ぎないでください。老犬・老猫や基礎疾患がある子は、1日だけぐったりしているだけでも、検査を受けるのが安全です。

犬種や年齢に応じた追加の注意点
7歳以上のシニア犬・猫では、元気がないことが心臓・腎臓・腫瘍疾患の初期サインである可能性があります。短頭種(フレンチブルドッグ、パグ、ペルシャ)は呼吸困難による疲労が頻繁にみられるため、単なるだるさと病気の兆候を見分けることが特に難しい傾向があります。大型犬(ゴールデンレトリバー、ドーベルマン)では拡張型心筋症を、猫では肥大型心筋症を疑う余地があります。同じ症状でも、年齢や品種によってリスクの度合いは異なりますので、飼い主さんが「普段と様子が違う」と感じたら、一度獣医師に相談することをおすすめします。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Silverstein, D., Hopper, K., Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Edition, Elsevier, 2022
[2] Little, S., The Cat: Clinical Medicine and Management, 2nd Edition, Elsevier, 2024
[3] National Research Council, Nutrient Requirements of Dogs and Cats, National Academies Press, 2006