腎生検の目的と手順、必ず行うべき適応症から合併症のリスクまで、飼い主さんが知っておくべき重要なポイントをまとめました。

| 項目 | 超音波ガイド下針生検 | 腹腔鏡生検 | 開腹生検 |
|---|---|---|---|
| 麻酔方法 | 全身麻酔 | 全身麻酔 | 全身麻酔 |
| 組織の大きさ | 小さい(相対的) | 中程度 | 大きい |
| 出血リスク | 中程度 | 低い | 低い |
| 回復期間 | 1〜2日 | 2〜3日 | 5〜7日 |
| 適応 | びまん性皮質疾患(AKI・糸球体腎炎) | ほとんどの症例 | 他の手術を併行する場合 |
すべての手技は快適さと固定のために全身麻酔が必要で、獣医師が患者の大きさ・凝固状態・腎臓の状態を総合して決定します

生検の前に必ず確認すべき事項
腎生検は出血のリスクを伴う侵襲的な検査です。以下の条件に一つでも該当する場合は、獣医師とリスクとベネフィットを十分に相談する必要があります。 - 凝固異常(凝固障害)や重度の貧血がある場合 - 制御されていない高血圧 - 腎嚢胞などの嚢胞性腎疾患 - 中等度~重度の水腎症 - 腎臓・腎周囲膿瘍または腎盂腎炎 - 末期(IRIS IV期)の慢性腎臓病で、腎臓が小さく線維化・萎縮している場合 - 妊娠中の場合 これらの状況では、生検に代えて尿・血液検査と画像検査による代替診断を検討します。特に慢性腎臓病により腎臓が小さくなっている場合は、出血リスクのため超音波誘導下の生検は原則として行いません。

このような症状が見られた場合は、すぐに動物病院へお越しください。
生検後、おうちで以下の症状が一つでも見られた場合は緊急事態です。夜間でも構いませんので、直ちに24時間対応の動物病院へお越しください。 - 赤い血尿が2回以上繰り返す - 歯茎が白っぽくなったり、舌の色が蒼白になる - 呼吸が速くなり、ぐったりする - 嘔吐が繰り返されるか、12時間以上食べられない - お腹が硬く膨らむ(腹腔内出血の疑い) 特に猫は痛みを隠す傾向があるため、活動量の減少や食欲低下だけでも、すぐに連絡してください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Langston CE, Eatroff AE. Chronic Kidney Disease. In: Small Animal Critical Care Medicine, 3rd Edition
[2] The Cat, Clinical Medicine and Management, 2nd Edition — Urinary Tract Disease chapter
[3] The Veterinary Workbook of Small Animal Clinical Cases — Renal disease case studies