高タンパク質ドッグフードの定義、長所と短所、適応症を獣医学的な基準に基づいて整理しました。愛犬にそのフードが適しているかどうかを判断する方法をお伝えします。

| 項目 | 一般的な成犬用フード | 高たんぱくフード | 超高たんぱくフード |
|---|---|---|---|
| たんぱく質含有量 | 18〜24% | 30〜36% | 38%以上 |
| 主な対象 | 一般的な成犬 | 活動犬・成長期 | 使役犬・ボディビルディング犬 |
| 脂肪含有量 | 10〜15% | 15〜20% | 20%以上 |
| カロリー密度 | 普通 | 高い | 非常に高い |
| 価格帯 | 低〜中 | 中〜高 | 高 |
一般的な市販フードの分類基準であり、製品・ブランドによって差が大きいです。正確なたんぱく質必要量は獣医師の相談を通じて個別に算定してください

このような場合は、高タンパク質のドッグフードを避ける必要があります。
腎臓疾患や肝臓疾患の既往歴がある子には、高蛋白のドッグフードは症状を悪化させる可能性があります。タンパク質の代謝過程で生じる老廃物(尿素窒素)を濾過するのが腎臓のため、機能が低下している状態では負担が大きくなります。肝臓疾患の場合も同様です。膵炎の既往歴がある場合も、個々の状態に応じて獣医師の判断が必要です。 一方、腎臓機能が正常な老犬は、むしろ若い成犬よりも高いタンパク質を必要とする場合があります。健康な老犬にタンパク質を一律で制限することは、現在の獣医学的根拠に基づいて推奨されておらず、血液検査値(BUN・クレアチニン)を確認した上で、獣医師と相談して適切なレベルを決定する必要があります。肥満犬の場合は、高蛋白・高脂肪のドッグフードによるカロリー過剰に注意が必要です。基礎疾患がある場合は、必ず獣医師に相談してから決めてください。

高タンパク質ドッグフードを選ぶ際のチェックポイント
「粗タンパク質30%」という数字だけにとらわれすぎないでください。原材料の1位から3位までに、鶏肉・サケ・羊などの具体的な肉類名が記載されているか確認しましょう。「肉粉」や「ミートミール」といった曖昧な表現よりも、「鶏肉生肉」のように明記されているものが望ましいです。また、AAFCOまたはFEDIAFの栄養基準を満たしているかどうか、原産地や製造日の表示も必ずチェックしてください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Fascetti AJ, Delaney SJ. Applied Veterinary Clinical Nutrition, 2nd Ed, Chapter 8: Commercial and Home-Prepared Diets
[2] Schaer M. Clinical Medicine of the Dog and Cat, 4th Ed, Section V: Elements of Therapy
[3] AAFCO Official Publication, Dog Food Nutrient Profiles (성견 최소 단백질 18%, 성장기 22.5%)