犬同士がお尻の臭いを嗅ぎ合うのは、肛門腺の分泌物を通じて相手の情報を把握する自然な挨拶行動です。いつ注意すべきかについてもご説明します。


| 項目 | 人 | 犬 |
|---|---|---|
| 初めての挨拶の仕方 | 顔を見て握手 | お尻のにおいを嗅ぐ |
| やり取りする情報 | 名前・職業 | 性別・年齢・健康・気分 |
| かかる時間 | 数十秒~数分 | 普通1~5秒 |
| 失礼な行動なのか? | 相手の許可なく触ると失礼です | 自然な社会的行動です |
犬のお尻のにおいを嗅ぐ行動は失礼な行動ではなく、正常なコミュニケーションです
このような匂いがする場合は、肛門腺に問題がある可能性があります。
普段よりも特に魚の腐ったような生臭さや膿のような強い臭いがしたり、犬が床に尻を擦り付ける行動(スクーティング)や、尻を繰り返し舐める行動が見られる場合は、肛門腺炎や肛門腺の破裂を疑う必要があります。症状が進むと、肛門周辺の皮膚が赤く腫れたり、穴が開いたりすることもあります。この場合はご自身で対処しようとせず、動物病院で肛門腺の絞り出しと消炎・抗生物質治療を受ける必要があります。

ワクチン接種が完了していない場合は、特に注意が必要です。
ワクチン接種スケジュールがまだ完了していない犬は、免疫が十分に確立されていないため、感染症にかかりやすくなっています。犬の免疫系はまだ未熟なうえ、母犬から受け継いだ抗体(母由来移行抗体)が残っている間は、ワクチンに対する反応も弱くなるためです。そのため、免疫がしっかり定着するまでは、見知らぬ犬との直接接触を避け、飼い主の腕の中で外の世界の刺激に慣れさせる「社会化」を行う方が安全です。特に6ヶ月未満で接種を終えた場合でも、6ヶ月頃に追加接種が推奨されるため、正確な接種完了時期は必ず獣医師にご相談ください。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
シェア
[1] Horowitz A., Inside of a Dog: What Dogs See, Smell, and Know, 2012
[2] Tobias KM. et al., Anal Sacculectomy, Veterinary Surgery Small Animal, 2017
[3] Introduction to Animal Behavior and Veterinary Behavioral Medicine, Ch.3 Olfactory Communication