犬が摂取すると腎臓にダメージを与えるお薬や物質について、よくある質問をまとめました。リスクを事前に把握し、適切に対応することが大切です。



| 項目 | 危険度 | 主な症状 | 緊急性の有無 |
|---|---|---|---|
| イブプロフェン(NSAID) | 非常に高い | 嘔吐(±血液)、食欲不振、無気力、乏尿・無尿性の腎障害 | はい |
| アスピリン | 高い | 嘔吐、下痢、消化管出血、無気力 | はい |
| ブドウ・レーズン | 非常に高い | 嘔吐、食欲不振、無気力、急性尿細管壊死 | はい |
| ビタミンD殺鼠剤(ネズミ駆除剤) | 非常に高い | 徐脈、不整脈、無気力、運動失調、尿細管障害 | はい |
| エチレングリコール(不凍液) | 非常に高い | 嘔吐、運動失調、無尿性腎不全 | はい |
危険度は摂取量と犬の体重によって異なることがあります。摂取が疑われる場合は直ちに病院を受診する必要があります。

すぐに動物病院を受診すべきサイン
犬が腎毒性物質を摂取した後、嘔吐、下痢、元気のなさ、食欲の低下、多飲や尿量の変化、血尿、歯茎の蒼白、心拍数の増加、運動失調やけいれんなどの症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってください。できるだけ早く病院に到着することが重要です。腎臓の損傷は初期には明らかな症状が出ないこともありますが、進行すると回復が難しく、重症の場合は死亡に至る可能性があります。実際、急性腎障害の死亡率は決して低いとは報告されていません。このような症状が見られた場合は、迷わず獣医師にご相談ください。

注意が必要な犬種と年齢層
生後6ヶ月未満の幼犬は、肝臓や腎臓の機能がまだ十分に発達していないため、同じ物質でも成犬とは異なる反応を示す可能性があり、リスクが高くなります。また、特定の品種では遺伝的に特定の薬物に敏感であることが知られています。ただし、品種や年齢による感受性には個体差が大きいため、飼い主が独断で薬を与えるのは危険です。このような幼犬には、必ず獣医師と相談し、血液検査や尿検査などの必要な検査結果に基づいて処方を受ける必要があります。何より予防が最も重要ですので、飼い主さんは品種や年齢に合った管理方法を事前に把握しておくとよいでしょう。

タイのコンケン大学で獣医学を専攻した獣医師で、米国ノースカロライナ州立大学のIVSAプログラムを修了しました。動物病院での臨床経験をもとにペットヘルスケア分野で活動しており、飼い主と獣医師をつなぐデジタル診療環境の構築に取り組んでいます。
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[1] Cohn LA, Cote E (eds.). Cote’s Clinical Veterinary Advisor: Dogs and Cats, 4th ed. Elsevier, 2020.
[2] Blackwell's Five-Minute Veterinary Consult Clinical Companion, Small Animal Toxicology, 3rd Edition. Wiley-Blackwell, 2022.
[3] Plumb's Veterinary Drug Handbook, 9th ed. Wiley-Blackwell, 2021.